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お役立ちコラム

もしもの備え 自分の身は自分で守ろう!<沖縄の離婚事情> -5-

沖縄の離婚事情

『親権・財産・慰謝料 法的知識も不可欠』

 離婚率が全国一高い沖縄県。「離婚問題で悩んでいる人は多い。身近な人がそんな状況にあるかもしれないし、当事者になる可能性だってある。悩みを聞いたり、アドバイスができるよう、離婚についての知識は持っていた方がいい」と話す弁護士の上原智子さん。沖縄県の離婚事情と知っておきたい法的な基礎知識について聞いた。

8月3日に、(財)おきなわ女性財団が主催した「女性のための法律講座~離婚編~」で講師を務める上原さん。会場はほぼ満席で、関心の高さがうかがえた
8月3日に、(財)おきなわ女性財団が主催した「女性のための法律講座~離婚編~」で講師を務める上原さん。会場はほぼ満席で、関心の高さがうかがえた

千人当たり2.6件

 厚生労働省の統計によると、沖縄県の平成21年度の離婚件数は3579件で、離婚率(人口千人当たりの件数)は2.6件。平成14年度を除き、昭和60年以降連続して全国1位となっている。
 離婚や親権問題などの家事事件を担当してきた弁護士の上原智子さんは、そんな沖縄の離婚事情について、「経済的な問題、浮気やDVなど理由はそれぞれ。離婚率が高い理由については諸説ありますが、離婚後も実家の援助が受けやすいことも背景にあるのでは? 出生率の高い沖縄では、幼い、複数の子どもを抱えて離婚する人が多い。経済的にも育児をする上でも親族の支援は大きいと思います」と説明。さらに、「離婚はとてもエネルギーがいる、人生の一大事件。冷静になれないのは当たり前。でも離婚前に決めておいた方がいいことがたくさんあるので、信頼できる人に力を貸してもらって」と、悩みを一人で抱えず、相談してほしいと呼び掛ける。

請求には時効も

 離婚時に、必ず決めておくべきこととして、「子どもとの関係」や「財産分与」などがある。特に未成年の子どもがいた場合、どちらが育てるかは、子どもにとっても大きな問題だ。
 父母が未成年の子に対してもつ養育保護を内容とする権利義務「親権」は、いったん決めると変更が困難。子どもの幸せを考え、親の意思や環境、子どもの年齢、意思などをみて判断する。
 「養育費」は、通常、子どもが成人するまで支払義務がある。その額については、裁判所が作成する算定表が目安となるが、
親の収入を基礎とし、同程度の生活を、離れて暮らす子にもさせなければならないという考え方が同算定表の背景にはある。
 「財産分与」に関しては、夫婦が結婚中に得た預貯金や不動産などのほか、マイナスの財産(借金など)も分けることになる。基本的には半分ずつ。どちらの名義であっても関係ない。離婚から2年経過すると請求できなくなるので要注意! 年金の支払金、離婚までの婚姻費用も分けておこう。
 離婚の原因が、相手の有責行為にある場合は、「慰謝料」を請求することができる。金額の相場は特にないが、上原さんが担当したケースでは、100万~300万円が多いそう。「精神的なことを金額に換算するのは難しいが、離婚後3年で時効が成立すること、浮気相手に対しても慰謝料が請求できることなどは知っておくべき」と上原さん。
 感情だけで離婚に踏み切ると、後悔することもある。法的な知識も持っておきたい。


離婚の相談窓口

 離婚を決めたら、まずは弁護士に相談することをすすめる。「費用が心配」という人も、無料法律相談などの制度があるので利用してみて。「離婚問題は人生相談のようなもの。助言に弁護士の価値観がでてしまうこともある。スッキリしないときは、複数の弁護士に相談してみるのもよいと思います」と上原さん。

■各市町村の無料法律相談
・那覇市/月~金曜14時~16時(予約制)
 問い合わせ/市民生活安全課 電話:098-862-9955(平日8時半~17時15分)

・浦添市/火曜14時~(予約制)
 問い合わせ/市民生活課 電話:098-876-1234

・沖縄市/木曜 14時~17時(予約制)
 問い合わせ/市民相談室 電話:098-939-1212(平日8時半~17時半)

 ※その他市町村でも、各市民相談窓口などに問い合わせてみて。

■法テラス沖縄/法制度や相談窓口を無料案内する。
 経済的に困っている場合には、弁護士費用の立て替えも行う。 
 水・金曜 10時~12時、14時~16時(予約制)
 問い合わせ:電話/050-3383-5533(平日9時~17時)


離婚の方法は主に3種類

1.協議離婚それぞれにメリット(○)とデメリット(×)がある。
 ○→離婚届の提出だけで離婚が成立する。
 ×→手続きが簡単なため、養育費や財産分与など、大事なことを後回しにして
  後悔するケースも。
  日付け、署名押印した離婚協議書の作成を。公証人役場で作る公正証書なら
  強制執行力があり安心。
2.調停離婚
 ○→互いの主張が平行線だったり、決めるべきことが多い場合、家庭裁判所で
  法律にのっとった話し合いが期待できる。
  合意した内容は強制執行力を持つ。
 ×→話し合いがまとまらなければそれまで。
3.裁判離婚
 ○→調停が不成立になった場合、自分の居住地の家庭裁判所でも提訴でき、法律
  にのっとって必ず決着がつく。和解による解決も可能。
 ×→時間と費用がかかる。双方が激しく対立する。有責配偶者からの請求は原則
  として認められない。


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お伺いした人
弁護士 上原智子さん

沖縄弁護士会、沖縄合同法律事務所勤務。離婚・親権問題などの家事事件のほか、民事事件全般、刑事事件や普天間爆音訴訟などの弁護団事件を担当。
沖縄合同法律事務所 電話/098-853-3281


※写真をクリックすると拡大して見ることができます。
取材/赤嶺 初美(ライター)
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざにて連載<第1261号 2011年8月25日に掲載しました>

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