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建築家と探す『地域の魅力』<21連アーチ橋、花・水・緑の大回廊公園(南風原町)> -5-

橋下には若者が遊ぶ回廊公園も

『アーチの数は世界一』

写真1/世界一の21連アーチ橋は圧巻。石造文化のアーチをモチーフとしているらしく、ロマンを感じさせる
写真1/世界一の21連アーチ橋は圧巻。石造文化のアーチをモチーフとしているらしく、ロマンを感じさせる

21連アーチ橋、花・水・緑の大回廊公園(南風原町)

 沖縄自動車道と那覇空港自動車道をつなぐ、南風原町の21連アーチ橋。橋の左右に広がる街並みの移り変わりが楽しめ、橋下の花・水・緑の大回廊公園では若者が生き生きと遊び、橋の上下で楽しめるスポットになっている。その魅力を、同町出身の金城司さん((有)門一級建築士事務所取締役)につづってもらった。

文・写真/金城 司
(社)日本建築家協会沖縄支部会員

 ユーミンこと松任谷由実の名曲の中で、私の好きな曲が「中央フリーウェイ」。高速道路から眺める街並みの移り変わりや、風を切って車を走らせる爽快感が感じられる曲だ。沖縄自動車道と那覇空港自動車道を結ぶ南風原高架橋の21連アーチ橋(写真1)に差しかかると、決まってこの曲が私の頭の中を駆けめぐる。
 そのわけは、高速道路を駆け抜ける風の心地よさをはじめ、右手・西側にはイオン南風原店やサザンプレックス、左手・東側には宮城公園やのどかな田園風景が広がり、南風原町の街並みの移り変わりを楽しませてくれるからだと思う。南風原町出身で、幼少期から今まで街並みの変化を見てきたわたしも、そのように感じる。
 この21連アーチ橋は、単なる巨大な高速道路ではない。実は世界一のアーチ橋なのだ。何が世界一かと言うと、アーチの数が21であること。魅力はそれだけではなく、橋の下から見上げた姿は実に圧巻であり、造形的にも美しいと思う。
 このアーチのモチーフは、戦後沖縄に数多く点在していた石造りアーチ橋やグスクに見られる石造文化を基にしていると聞いたことがあり、歴史ロマンを感じさせてくれる。アーチ橋の下にはひっそりとした小さな南風原ダムがあり、国場川の源流の一つになっている(写真2)。南風原ダムの水は、国場川を形づくり、東シナ海へと流れ行く。南風原町は県内では希少な海のない町だが、東シナ海の源流の一つを形づくるという点では、ロマンが感じられる。
 ダム近くにある小さな焼き鳥屋のおいしい焼き鳥をつまみつつ、南風原ダムを背景に21連アーチ橋を眺めれば、かなりのぜいたく感が味わえる。おすすめのスポットだ。
 高架橋下には、ユニークな施設がある。南風原北インターチェンジを降り、そのまま高架橋沿いに車を走らせると、「花・水・緑の大回廊公園」が見えてくる(写真3)。高架橋の下の空間を有効活用してできた公園である。公園には憩いのスペースをはじめ、バスケットやフットサルのコートがあり、スケボーなども楽しめる。高架橋が屋根代わりとなっているので、多少の雨でも楽しめる。そこで遊ぶ若者は楽しそうで、表情も生き生きとしている(写真4)。そのようなスペースが都市化で減りつつある現在、今後の街づくりにおいて、少しでも若者の居場所をつくることは大切である。
 常日頃、見慣れた風景や景色などに価値を見いだすことは結構難しいものではあるが、実際、身の回りのありきたりな日常にこそ、大きな価値が見え隠れしている。その価値を見つけ出し、多くの人に情報を発信し展開していくことが、これからの地域の魅力を掘り起こすことになるのではないかと考えている。

写真2/アーチ橋の下には、国場川の源流でもある南風原ダムがあり、国場川をへて東シナ海へと流れ行く
写真2/アーチ橋の下には、国場川の源流でもある南風原ダムがあり、国場川をへて東シナ海へと流れ行く
写真3/高架橋の下にある、花・水・緑の大回廊公園。バスケットボールやフットサルのコートが設けられ、若者たちの楽しむ姿が見られる
写真3/高架橋の下にある、花・水・緑の大回廊公園。バスケットボールやフットサルのコートが設けられ、若者たちの楽しむ姿が見られる
写真4/大回廊公園で遊ぶ若者たちの表情は生き生き。そんな風景は、町の未来の希望だ
写真4/大回廊公園で遊ぶ若者たちの表情は生き生き。そんな風景は、町の未来の希望だ

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞にて連載<第1350号2011年10月28日に掲載しました>

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