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隣近所との「共助」の意識を <Let’s防災★防犯>

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隣近所との「共助」の意識を

地域の力で命を助ける

 自分の身は自分で守る災害時の基本「自助」。大規模災害の際、さらに地域で助け合う「共助」も欠かせない。共助を意識することが災害発生時だけでなく、日ごろから見守りが必要な人たちを地域でサポートし、いざというときのフォローにもつながっていく。

高齢者も歩いて高台を目指す伊佐地区の津波避難訓練の様子(写真提供・宜野湾市役所市民防災室)
高齢者も歩いて高台を目指す伊佐地区の津波避難訓練の様子(写真提供・宜野湾市役所市民防災室)

 1995年の阪神大震災では建物の倒壊が相次ぎ、多くの人々が家屋の中に閉じ込められた。当時、被災した沖縄大学の稲垣暁特別研究員は「倒壊した家屋から自力で脱出した人も多かったが、救出された生存者のうち8割は、近所の人に助けられた人たちだった」と振り返る。
 さらに共助の必要性を宜野湾市役所市民防災室の普天間朝彦係長は「大規模災害では、消防や警察など人手が圧倒的に足りず公的支援を十分に行うことは難しいことが考えられる」と指摘。その理由に現場に駆けつける人員や時間の限界、行政職員らも被災者となり、被害を受けている可能性を挙げる。実際、東日本大震災では救助に向かった消防士などにも大きな被害が出た。
 さらに「市としては災害発生直後は防災無線などの情報伝達を徹底することで市民の安全確保を目指す。それらをうまく活用して市民一人ひとりが自助を行うことが大切だが、いざと言う時に力を発揮するのは地域での共助だ」と話した。

住民主体で防災組織

 住民約4千人の宜野湾市伊佐地区では2010年に同市で2番目となる自主防災組織を立ち上げ、地域住民主体で防災活動に取り組む。現在、主に津波想定の避難訓練や避難所体験訓練など行うほか、地域住民の防災意識の向上に努めている。
 同自治会の宮城奈々子会長は「避難訓練などを通して災害について家族で話し合うことや隣近所との関係の重要さに気付かされた。何よりもいざ災害が起きても自分が助からなければ人を助けることもできないことを強く感じた」と語る。
 同地区は以前から特に津波による被害が懸念されていていた。同地区の3分の2は埋め立て地で海抜は2㍍ほど、海岸からも近い。チリ津波などを経験している住民も少なくない。また同地区内には高齢者をはじめ、保育所や福祉施設もあり、いざという時に手助けが必要な「要援護者」となる人々が生活しているが、現状ではその人たちを把握することも難しい。
 そこで同地区では民生委員が、敬老会の案内など配布しながら見守り。日ごろから地区の高齢者への声かけや所在の把握などに努める。

率先した行動を促す

 「避難訓練を重ねることで要援護者でも自分で避難することができると分かれば、自信になる。避難できる人が増えれば支援が必要な人へ手を回すことができる。災害発生時に足手まといになると考えず、フライパンを叩いてでも自分はここにいると教えてほしい」と宮城会長。
 要援護者を誰が救助するかなど課題もあるが「人々の中に育まれてきた助け合いの精神が災害時に率先した行動につながってもらえれば」と期待を寄せる。
 日ごろ積み重ねたことが災害時に生かされる。地域や隣近所と顔が見える関係でいることで、共助の精神は育まれていくだろう。


救助につながる工具類

 自助、共助の際にのこぎりやロープなどの工具類が役立つことがある。
 阪神大震災で被災した稲垣研究員によると、倒壊した住宅の下に閉じ込められた住民を助けたのは1本ののこぎりだった。「梁(はり)や木材をのこぎりで切り除いたことで下敷きになった人を救助できた。工具類は自宅にそろえておくだけでなく、車に積んだり、職場や公共施設で災害時の備えとしてそろえておく必要がある」と稲垣さんは話した。

<災害時の工具の使い方>

□にチェックして活用しよう

□のこぎり
 柱や梁を切ることで救助のスピードは格段にあがるだけでなく、災害後の生活でもまきを作ったりと使い道は多い。

□バール
 折り重なるものをてこの原理を利用して持ち上げ、その下にジャッキなどをはさみ救助につなげる。

□ジャッキ
 がれきの下に挟んで使えば、女性の力でも簡単に重いがれきを持ち上げることができる。

□ロープ
 木材を巻き上げ、大人数で引っ張れば救助の効率が上がるだけでなく、水害時には命綱になる

□チェーンソー
 日ごろからメンテナンスや燃料が必要な点はあるが、一台あればのこぎり以上に救助のスピードはあがる。


取材・編集/相馬直子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1384号2012年6月22日紙面から再掲載」

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