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お役立ちコラム

「浸漬」で炊き上がりに差 −お米マイスターのウチナーゴハン−

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『「浸漬(しんせき)」で炊き上がりに差』

「2時間なら産地や品種問わずOK」


 ごはんを炊く際、意外に失敗しやすいのが「浸漬」。そのポイントを渡久地さんに紹介してもらいましょう。

おかゆで体調整え

 おはようございます♪ 初夏の訪れを感じさせる5月。去ったGWは楽しめましたか? お仕事だったという方は、ぜひ日を改めてお休みを楽しんでほしいと思います。
 4月から新生活をスタートした方々、慣れてきたころでしょうか? そろそろ疲れが出てくるころです。空気が湿気を含み、気温も高くなってくることで、少しバテ気味の方もいるかもしれませんが、ちゃんと食べられる工夫をしてほしいと思います。
 実は少し前、子どもが体調を崩してしまい、なんとなく「おかゆ」を作ってあげたら、意外なヒット(笑)。 お茶で作る「茶がゆ」も、さっぱりしていて人気でしたよ。健康な方には玄米がゆもおすすめです。今流行のデトックス。白米よりもその効果が高いようです。
 じっくりコトコト煮たお米をゆっくり味わう。そんな時間で自分の心と体に向き合ってみるのもステキですね。

湯はダメ! 冷水で

 さてさて、今回はお米を水に漬ける「浸漬」について説明します。吸水とも言います。こちらも大切な工程の一つ。
 炊飯とは、米の主成分である消化しにくいβデンプンを、加熱することで消化しやすいαデンプンに変えること。その熱を米にしっかり伝えるために大切なのが浸漬です。米が十分に吸水していないと、表面はべちゃべちゃなのに芯がある…という、悲しいご飯になったりします。
 吸水の仕組みとしては、始めの30分で急速に吸水し、そのあとはゆるやかになります。約1時間で米粒にいきわたり、約2時間では完全に吸水しきります。それ以上は水を吸いません。大体、冬場(水温5度)で2時間、夏場(水温20度)で30分は必要とされているので、ここ沖縄でも最低30分は漬けておきましょう。この作業がしっかりされていると、冷めてもやわらかいごはんになります。ちなみに私は昔、「産地品種問わず1番良いのは2時間」と聞いて以来、ずっと2時間浸漬をしております♪
 また、朝、ご飯を炊くのに前日から浸漬する場合はラップをかぶせ、冷蔵庫に入れるのをおすすめします。実は、チルド水(3度)で2時間以上の浸漬が米のうまみを最大限に引き出すといわれているのです。
 ただ、どうしても急いでいるときは、湯に漬けるということも耳にしますが、湯だとお米の表面が先に溶け出してしまうのでやめて下さいね。人肌以下のぬるま湯(35度以下)へ、10分ほど漬けてみてください。炊き上がり後に違いが出ます。
 次に水の量。新米でも通常米でも最近は保管状態が良いので、年間通してほぼ同じくらいの水量でOKです。
 水の量は、炊飯器の内釜の目盛りに合わせることをおすすめしています。生米の水分量が14%だとすると、おいしいごはんになるためには62%の水分量が必要です。内釜の目盛りは、大抵の米がその62%になるように計算されています。「家でもおいしいごはんが食べられるように」という開発に感謝です。


水の種類と米との関係

 私は基本的に水道水を使って炊いています。毎日食べるごはん。当然、洗うための水、炊飯する水など現実的には水道水が一番手軽ですよね。では、大まかな水と米との相性を・・・

水道水
 日本の水は国土の関係で酸性寄りの軟水で国産米には最適。しかし、沖縄の水はアルカリ性で、ごはんには向かないという定説もあります。でも私は水道水。これでも十分おいしいですよ♪

ミネラルウォーター
 微量のミネラルを含んだ弱アルカリ性の水は米との相性は良い。しかし硬水は、米に浸透しづらく、ごはんが固くなるので注意しましょう。

軟 水
 水の分子(クラスター)が小さいので米に浸透しやすく、より弾力のあるごはんになります。

アルカリイオン水
 炊き上がりがやわらか過ぎる、べたつく、色素栄養成分の反応により黄変することもあります。


サトウキビおにぎり

月イチおにぎり
今月は…「サトウキビおにぎり」

 上囲みで紹介した「さとうきびご飯の素」。友人に勧められて購入してみました。黒っぽい粉末状で、香りはほんのり黒糖。洗ったお米に投入すると、内釜の中は一見、大変なことになってしまい、不安すら感じました(笑)。30分後、炊きあがったごはんは黒い! 恐る恐るひと口。ほんのり甘く、かすかに黒糖の香り。それが「ゆっくり噛む」ということにつながっていきました。不思議です。白米なのに、色が付いた途端、噛みたくなるんですよね。今回は、あんだんすーを塗り、好みでごま油やねぎをONして焼きおにぎりに。すっごく美味♪でした。


ウチナー米事情
『水田からサトウキビ畑へ』

 旧暦の5月15日は、「五月ウマチー」。稲の初穂祭です。かつて沖縄には麦や稲にまつわる行事も多くありました。しかし近年では、本島で稲穂を見かけることは少なくなり、寂しい気がします。その水田がサトウキビ畑へと姿を変えたところも多いようです。今や沖縄を代表する農作物、サトウキビ。葉や搾りカスも利用も盛んです。

★葉
 布や洋服を染める染料や家畜のエサとして利用。

★茎の皮
 サトウキビ繊維糸の原料

★搾り汁
 砂糖や糖蜜、化学調味料の原料。そう、有名なアレ、「味の素」の原料でもあります。

★搾りカス(バガス)
 紙や建物の原料、または家畜のえさとなるほか食物繊維としての利用も始まっている。

 今回のおにぎりは、そのサトウキビを使いました。「?」と思っている方、私もそうでした。「さとうきびご飯の素」って聞いたことありますか? 搾りカスが食物繊維として利用されていると書きましたが、それです。オリゴ糖なども含み、美容や健康に良いそう。私のブログでも詳細を載せていますので興味がある方はご覧ください。


執筆/渡久地 奈々子(三ツ星お米マイスター)
とぐち・ななこ うるま市出身。県内初の三ツ星お米マイスター。具志川食糧に勤めながら、一般向け、飲食店向けのお米講座を開催する。
http://komenana.ti-da.net/


毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざにて掲載しました<第1246号 2011年5月12日>

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