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津波を正しく知る(上) <Let’s防災★防犯>

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津波を正しく知る(上)

即避難を心掛け、命守る

 四方を海に囲まれている沖縄では津波が起きた時、被害を受ける可能性は少なくない。そこで2回にわたり、津波の仕組みや備えなどを取り上げる。第一回は津波発生の仕組みと避難訓練の大切さについて。

海底地震、少なくない
 まず、一見同じように見える、津波と波浪の違いについて説明しよう。波浪は風により海面が煽(あお)られ、波が高くなることをいう。しかし、波長が短いため、沿岸にぶつかるとすぐに砕けて引いていく。
 一方、津波は海底を震源とした地震などが原因で発生する。海底が上下すると、その部分の海水が押し上げられ、海底から海面までのすべての海水が巨大な水の壁となって沿岸に長時間押し寄せる。その力は陸上の建物を破壊しながら内陸まで一気に押し寄せるほどだ。
 沖縄気象台地震火山課の石川徹地震津波防災官は「沖縄では、地震発生場所の多くが海を震源としていることから、揺れを感じることは少ない。しかし、地震の発生件数は他の地域に比べても決して少なくないことから沖縄近海でも津波が発生するような大きな地震が起きる可能性はある」と指摘する。
 津波は引き潮から起こるといわれているが、必ずしもそうではなく、いきなり津波が襲う場合もあるという。
 気象庁は、より迅速に避難を促すため津波情報を改善。2013年3月からマグニチュード8以上の巨大地震の場合「津波情報の予想される津波の高さ」を数字ではなく「巨大」という言葉で発表。強く避難を促す。
 「『巨大』という津波情報はマグニチュード8を超える東日本大震災クラスの地震の場合、発表する。海辺で長いゆっくりとした揺れや強い揺れを感じたり、「巨大」でなくても津波警報や注意報を聞いたり、避難の呼びかけがあったら、すぐに高台に避難を」と石川氏は訴えた

初の県下一斉訓練
 警報が出た時、慌てず避難するためには、日ごろからの訓練が大切。そこで今月5日、「津波防災の日」に合わせ、県内初の県下一斉の津波避難訓練が各地で行われた。
 うるま市では学校や企業、個人など約2万人が参加。同市総務部防災係の嘉手納大樹主事は「市では低地帯に多くの住宅や商業施設があり、石油コンビナートも有していることから、市民の災害への関心は高いと思う。訓練を通し、地域によっては海沿いから高台へ通じる道が無かったり、防災無線が聞こえなかったり課題もあった」と振り返る。
 市では海抜表示の設置や防災無線の整備を進めるとともに「災害時には住民が自らの判断で主体的に避難ができるよう、地域で助け合うことが何より重要。自主防災組織の活動をバックアップをしたり、避難訓練など定期的に開いて、市民の津波防災への意識を向上させていきたい」と意気込みを見せた。
 津波から命を守るため、肝心なのは、避難ルートの確保や近所との声かけなど日ごろからの積み重ねだ。
 次回は津波のハザードマップについて紹介する。


●津波と波浪の違い

気象庁ホームページより
波浪の発生図。波浪は波が高くても波長が短いため、一つ一つの波に加わる力は小さく、沿岸で砕けて引いていく

気象庁ホームページより

気象庁ホームページより
津波の発生図。海水が巨大な水の壁となって長時間力が加わる。陸上のものを破壊しながら内陸まで一気に浸水する

気象庁ホームページより

●津波による住宅被害予想

気象庁ホームページより
気象庁ホームページより

 津波の高さによって住宅への被害はどのように変わるのだろうか。
 津波による家屋被害について、津波工学の専門家である東北大学の首藤伸夫名誉教授が発表した資料によると、建築方法などにより異なるが、津波により地面から1メートルほどの浸水があると木造住宅などに被害が出始めるという(上表参照)。
 沖縄気象台では「首藤先生の研究や過去の津波被害の調査から、基礎部分がしっかりした鉄筋コンクリート(RC)造の建物の場合、木造に比べると建物自体は比較的無事だったという報告もあった。津波は浸水50センチでも木材など、漂流物の直撃によって被害が出ることもあるので、高台、もしくはRC造の高い建物に必ず避難すること」と強調した。


取材・編集/相馬直子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1406号2012年11月23日紙面から再掲載」

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