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津波を正しく知る(下) <Let’s防災★防犯>

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津波を正しく知る(下)

避難への備え 日常から

 津波から命を守るためには、速やかな避難を心掛けること。そのためには避難ルートや避難場所など、日ごろから関心をもって確認しておくことが肝心だ。今回は避難のための取り組みについて取り上げる。

使えるマップ追求

 津波発生時、速やかに避難するためには避難場所や経路を日ごろから把握しておくことが大切。しかし避難訓練を行った際、「避難場所へ通じている道がわからなかった」という声を聞くことも少なくない。
 琉球大学工学部の仲座栄三教授は、「防災意識は日常的にはぐくむ必要があることを感じた」という。そこで同教授らが考案したのが、津波浸水域や標高、避難場所などが一目で分かり、日常でも地図として使えるよう番地や商店などの表示が加えられた「津波避難用マップ」だ。
 ただ実際、マップを作成、使用してみると、コストが掛かりすぎることや表示が複雑なことなど課題が見つかった。「マップは誰でも作れて、コストも掛からないように発展させていく必要がある。問題点をふまえて、使用する世代に合わせたデザインやスマートフォンなどでも使えるものにしたり、自治体向けのものを開発するなど研究を進めているさなか」と話した。
 「マップは絶対『安全』を保証するものではない。自然災害は私たちの想定以上という意識を常に持ち、行動することが大切」と念を押した。

ハード面の整備も

 東日本大震災以降、関心が高まった事柄の一つに「海抜」がある。県内で市内の海抜表示を速やかに行った地域のひとつに那覇市がある。同市の市民防災室では2011年6月から市独自の表示シートを作成した。設置場所は市内の公共施設、銀行、商業施設などで市内全域で1050カ所以上にのぼる。市では誰にでも分かりやすいよう海抜値が10メートル未満は青、10メートル以上は緑と、色分けした。市民防災室の東政範主幹は「今後は県が策定した海抜表示への統一も視野に入れ、引き続き整備していきたい」と話した。
 また、同市の若狭や古波蔵など高台への避難が難しい地域については、地域内にある高い建物を「津波避難ビル」として登録し、所有者と市が協定を結ぶ取り組みを進めている。現在、市内沿岸部などで24カ所が登録。東主幹は「市でも津波避難ビルを建設する動きもあるが、既存の物を利用するのも有効的。早急に拡大したい」と意気込みを語った。
 また、津波発生時に避難が課題となる高齢者や子どもなどについて、琉大の仲座教授は「共助だけでは対応できないことも考えられるので、高台に施設を造るなど災害を想定したまちづくりにシフトしつつ、避難訓練なども続けて行っていくべきだ」と強調。「避難する上でできること、できないことを見極め、できないことは長期スパンで解決方法を探していければ」と訴えた。
 南海トラフ巨大地震や津波発生が想定されている中、一人でも多くの命を救うため家庭や地域で津波への対策や心構えについて話し合い、実践していきたい。


●津波避難マップ(イメージ)

宜野湾海浜公園周辺のマップ
宜野湾海浜公園周辺のマップ。海抜高度は5メートル以下を赤、20メートルまでを黄、30メートル以上を青と、信号の3色になぞらえて表示するなど、子どもでも分かりやすいよう工夫している(資料提供/琉球大学工学部仲座研究室)

●津波発生時の一時避難施設(一部)

※2012年10月1日現在
※2012年10月1日現在

 那覇市の資料を基に、市内の主な津波避難ビルの位置を示した地図。市内沿岸部に全部で24カ所あり、自宅から近い避難先を確認しておこう
*上図の丸付き数字は下記の施設とその位置を、赤字は目印になる施設等を示す
①サンエーおもろまちメインプレイス
②沖縄県漁連(県水産会館)
③カクテルプラザ
④サラダボウル
⑤県営古波蔵市街地住宅
 ・沖縄県都市モノレール駅(那覇空港駅~安里駅まで10駅)
そのほか、一部の県営や市営住宅など計24カ所


取材・編集/相馬直子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1414号2013年1月25日紙面から再掲載」

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