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貴重品、持ち出す用意を <Let’s防災★防犯>

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被災後の生活を再建するために

貴重品、持ち出す用意を

 被災したら生活はどうなるのだろう。被災後の生活には災害救助法などの行政からの支援だけでなく、家庭でも貯蓄や貴重品など、すぐ持ち出せるようにすることが肝心。生活再建のための蓄えを改めて確認しよう。

行政の制度活用して

 被災後の暮らしを支えるのが、避難所の設置や食事、物資の支援などの緊急措置を行う「災害救助法」と、住宅の再建のために設けられた「被災者生活再建支援法」(左表参照)。後者は、災害により住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対し、支援金が支給される仕組みになっている。
 2006年6月、県内各地で発生した長雨による土砂災害は「災害救助法」「被災者生活再建支援法」の両方が適用されたケースだ。崖の崩落により避難勧告が発令された中城村北上原・安里地区に対して、「災害救助法」により公民館などに避難所が設置され、民生委員やボランティアらによる炊き出しや生活に必要な物資が届けられた。その後、北上原地区の9世帯への避難指示は続き、うち4世帯は建設型の仮設住宅へ入居するなど対応がとられた。一方、那覇市首里鳥堀町では、土砂崩れと地盤沈下により集合住宅に被害が出たことを受け、全住民が避難。その後、同住宅は全壊の判定がなされ、住民らに対し、「被災者生活再建支援法」が適用され、新しい住宅に移るための資金として支援金が給付された。
 県の担当者は「災害救助法はあくまでも一時的な措置にすぎない。住宅の建て直しなどには支援法のほかにも見舞金や融資制度などを利用する手段はあるが、行政の支援だけでは限界がある」と苦しい胸の内を明かす。

災害見すえ資金計画

 沖縄大学地域研究所の稲垣暁特別研究員は「1995年の阪神大震災の被災者の中には、住宅の建て替えなど、生活再建のため二重ローンを組まざるを得ないなど、厳しい生活状況に置かれている人々は少なくない。家庭でもできる経済的な災害対策も欠かせない」と強調する。
 すぐにできる対策として、土地や建物の登記簿など重要書類や身分証明書など貴重品類は緊急時に持ち出せるようにしておくことを稲垣研究員は挙げる(左写真参照)。
 避難中の子ども用のオムツや生活用品購入のため必要な現金の確保もできる限りしておきたい。「持ち出し用品の中に災害用貯金箱を用意し、普段から小銭をためておくのもひとつ」とアドバイスした。
 さらに災害による住宅損害のリスクを踏まえ、よりシビアに建築費や維持費を確保することも大切。地震保険の加入のほか、災害以外でも緊急時に使えるように緊急予備資金としての貯蓄をするなどして少しでも多くのお金を確保しておきたい。「そのためには家計の見直しや災害用に貯蓄しておく口座を開設するなど、生活状況を考え各自で検討してほしい」と稲垣研究員。
 災害への備えは食料や水などの備蓄、避難所までの経路の確認をはもちろん、被災した後に暮らしをどう立て直すか、家族で話し合い、災害への心構えをしておきたい。


●大規模災害発生後の支援の流れ

災害発生
▼救助
①「災害救助法」
 災害発生直後の緊急的な支援から、暮らすうえで必要最低限のものが提供される。
 避難所の設置・食事などの炊き出し・洋服、寝具など生活に必要な物資の支給・医療・被災した住宅の応急修理・救出活動・仮設住宅の設営など。

▼復興
②「被災者生活再建支援法」
 住宅の被害の程度に応じて支給される金額は全壊で最高100万円(基礎支援金)、新たに購入・建設する場合は最高200万円など、住宅の再建方法に応じて異なる額が支給される(加算支援金)。
 その他に・義援金・各自治体などからの見舞金
や住宅の融資制度がある。

●災害時持ち出し用品(貴重品例)

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①免許証やパスポートなど顔写真の付いた身分証明書(コピーでも可)
②残金がある口座の通帳やキャッシュカード、印鑑
③土地・建物などの重要書類関係(コピーでも可)
④災害用貯金箱

 住宅の権利書などの貴重品を自宅に置いたまま避難したり、被害によって取り出せないことがあると、不安でストレスがつのる。そこで、原本が難しければせめてコピーだけでもすぐ持ち出せるようにしておこう。
 大規模災害時には金融機関で、通帳が無くても預金の引き出しができる措置が取られるケースもある。金融機関により異なるが、免許証やパスポートなどの身分証明書の提出が最低限必要になることがある。(手元に身分を証明する物が無い場合、各金融機関での個別対応になる)。残金のある使える口座の控えや身分証明書のコピーなども一緒に入れておくようにしたい。


取材・編集/相馬直子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1418号2013年2月22日紙面から再掲載」

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