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固定して万が一に備える <Let’s防災★防犯>

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家具の転倒を防止する

固定して万が一に備える

 地震で家具や家電が転倒・落下すると、それが凶器となり、大ケガを招きかねない。被害を軽減させるためにも固定や配置は正しくすることが肝心。そこで身近にあるものを使い、家具を固定する方法を紹介する。

家具の固定の一例
●家具の固定の一例
布団が落下しないように隙間なく入れることがポイント。棚の間にはロープなどを張り、本が落ちないような工夫を(上写真)。ストッパーは幅3~4センチ、高さ5ミリ程度の傾斜のついた物が良い。家具の両端、中央など数カ所にかませておくこと。ホームセンターなどで購入できる(下写真)

 強い地震が発生した時に最も気をつけたいのが、転倒する家具や落下物から身を守ることだ。県内でも、2010年2月に発生した震度5弱の地震で家具の転倒や本、食器の落下など室内の被害が出たことも記憶に新しい。1995年の阪神大震災では、家屋は倒壊を免れたものの家具の転倒や落下物により、室内でケガをした人も多い。
 NPO法人沖縄県建築設計サポートセンターの天野輝久指導員によると「地震の時、家具がどのように動くかは地震の大きさ、揺れの方向によって異なる。また、免震構造では揺れは大変小さくなるが、5階程度の普通の建物では、上階に行けば行くほど揺れが増幅される。そのため、家具や家電は固定方法を組み合わせるなどして転倒や落下防止の対策をすることが大切」と述べた。
 特に背の高いタンスなどの家具や冷蔵庫など大型家電の固定による備えは必須だ。転倒防止のための器具はホームセンターなどで購入できるほか、棚やタンスは自宅にある物で固定する方法もある。その一つが布団を棚の上に置き、天井との間の隙間を埋める方法だ(図1参照)。強度のある天井の骨組み部分に布団を当てることがポイント。
 また、賃貸住宅や天井の強度が足りない場合、家具の下にストッパーを入れるのも一つ。壁の方向に家具を軽く傾けることで、手前に倒れてくるのを防ぐ(図2参照)。
 キャスター付きのワゴンやラック、ピアノ類はフローリングの床を滑り、人にぶつかる危険があるので、動かし終わったら必ずストッパーで固定しておくこと。家具の配置も、避難の妨げにならないようドアの近くには置かない、寝室でもベッドから離すなど、注意を心掛けよう。
 天野指導員は「背の高い家具は下に重い物、上に軽い物を置くと足元が安定し、落下時の危険も抑えられる。まずは自宅でできる方法を考え、対策を」とアドバイスした。
 家具の固定の方法は部屋に合わせて変え、より安全に過ごせる室内環境を整えよう。


災害と向き合うため「神戸新聞」社説から

 連載の最後に阪神大震災で被災した神戸新聞(本社・兵庫県)の当時の論説委員長が胸の内をつづった社説を紹介。神戸からの声が沖縄の防災への意識向上につながることを願いたい。

「被災者になって分かったこと」

 あの烈震で神戸市東灘区の家が倒壊し、階下の老いた父親が生き埋めになった。三日目に、やっと自衛隊が遺体を搬出してくれた。だが、埋まったままだった二日間の無力感、やりきれなさは例えようがない。被災者の恐怖や苦痛を、こんな形で体験しようとは、予想もしなかった。(中略)
 日が暮れる。余震を恐れる人々が、学校の校庭や公園に、毛布をかぶってたむろする。寒くて、食べ物も水も乏しい。廃材でたき火をする。救援物資は、なかなか来ない。いつまで辛抱すれば、生存の不安は薄らぐのか、情報が欲しい。(中略)
 東灘消防署にある救助本部へいく。生きている可能性の高い人からやっている、お宅は何時になるか分からない、分かってほしいといわれる。十分理解できる。理解できるが、やりきれない。そんな二日間だった。
 これまで被災者の気持ちが本当に分かっていなかった自分に気づく。“災害元禄”などといわれた神戸に住む者の、一種の不遜(ふそん)さ、甘さを思い知る。
 この街が被災者の不安やつらさに、どれだけこたえ、ねぎらう用意があったかを、改めて思う。
(1995年1月20日付 神戸新聞社説より抜粋)


取材・編集/相馬直子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1422号2013年3月22日紙面から再掲載」
当連載は今回で終了します

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