沖縄の不動産・賃貸・売買ならコノイエ+プラス

お役立ちコラム

建築家と探す『地域の魅力』<浦添大公園(浦添市仲間・伊祖・当山)>

浦添・宜野湾、慶良間諸島も一望

『遊び・歴史・自然楽しむ』

浦添大公園
写真2/ふれあい広場ゾーン。たくさんの遊具がそろい、子どもたちが楽しく遊ぶ

浦添大公園(浦添市仲間・伊祖・当山)

 今回の執筆者・前田慎さん(ポイントウォーカーデザイン・代表)が子どもとよく行くという浦添大公園。浦添市仲間・伊祖・当山の3地域にまたがる広大な敷地には、多彩な遊具に、浦添ようどれをはじめとする史跡・文化財、豊かな緑に牧港川のせせらぎと、大人も子どもも楽しめるスポットがいっぱいだ。

文・写真/前田 慎
(社)日本建築家協会沖縄支部会員

 週末は多くの親子連れでとてもにぎわう浦添大公園。面積が37.4ヘクタールもある総合公園で、遊具のある「ふれあい広場ゾーン」「歴史学習ゾーン」「憩いの広場ゾーン」の3つのゾーンで構成されています。
 ふれあい広場ゾーンは、ネットトンネル&クライム、木調アスレチック巨大コンビなどの遊具のほか、すべり台も短い物から長い物までたくさんあり、子どもたちは走り回って、よじ登って、転げて、汗をいっぱいかいて遊んでいます(写真1・2)
 歴史学習ゾーンには、国の重要史跡「浦添城趾」、県の特別重要文化財「浦添ようどれ」、県指定史跡「浦添貝塚」、「伊祖の高御墓」などがあり(写真3)、憩いの広場ゾーンには豊かな緑の中、牧港川(2級河川)が流れ、川と交差して市指定文化財「当山の石畳道」が通り、古き琉球の風景をほうふつとさせます(写真4)。深い緑の中で森林浴をしつつ、川のせせらぎを聞きながら、史跡石畳を散策すると、ここが都市部近郊の立地であることを完全に忘れてしまいます。牧港川が澄んだ水であれば・・・。
 浦添ようどれに続く道の途中に、「浦添グスク・ようどれ館」があります写真5。発掘された出土品の展示のほか、説明映像が見られるシンプルな瓦屋根の建物で、とてもかわいらしい鬼瓦が屋根を飾っています(写真6)
 同じ「浦添ようどれ」に続く園路にある「暗(くら)しん御門(うじょう)」もとても印象的です(写真7)。戦前はトンネルのようになっていたそうですが、砲撃で天井の岩盤が破壊され、現在の姿になったそうです。加工した岩盤と石積みでできた御門は、厳かな雰囲気をたたえ、古琉球人の卓越した美的センスが垣間見えます。
 浦添ようどれは、ご存じのように英祖王と尚寧王の陵墓です。「ようどれ」とは「夕凪(ゆうなぎ)」を指す琉球語。極楽を意味するとも言われています。僕が訪れたときには、宜野湾高校の学生が見に来ていて、引率の先生が説明していました。「凪は波の立たない静かな状態。争いの無い平穏な平和な世をも意味している」とおっしゃっていました。
 さらに浦添大公園は標高130メートルと市で一番高い場所にあり、浦添市内はもちろん、西側は慶良間諸島が、北東側は宜野湾市が一望できるすばらしい眺望となっています。英祖王、尚寧王が眠る「ようどれ」は宜野湾市が望める方向に向いていて、普天間基地も見渡せます。なかなか進まない普天間基地の返還に、県民が強く拒む中進むオスプレイの普天間基地への配備計画。「争いのない平穏な平和な世」で眠る古琉球の王たちは、どのような思いでいるのでしょうか?
 浦添大公園はいつ行っても楽しめて、学べて、憩える場所です。2012年3月21・22日のてだこ祭りでは、花火の打ち上げ場所となり祭りを彩りました。浦添市民の生活に根差した大切な公園です。

写真1/ふれあい広場ゾーンの中にあるすべり台を滑走中 写真3/浦添グスク・ようどれ館にある歴史学習ゾーンおよび周辺の歴史ポイントマップ 写真4/当山の石畳。豊かな緑の中、牧港川のせせらぎを聞きながらの散策は楽しい 写真5/浦添グスク・ようどれ館全景。発掘された出土品が展示されているほか、説明映像も見られる 写真6/写真5の赤線円内をズームアップ。屋根を飾る鬼瓦が見える 写真7/浦添ようどれに続く園路にある暗しん御門。戦前はトンネルのようになっていた
写真1/ふれあい広場ゾーンの中にあるすべり台を滑走中
写真3/浦添グスク・ようどれ館にある歴史学習ゾーンおよび周辺の歴史ポイントマップ
写真4/当山の石畳。豊かな緑の中、牧港川のせせらぎを聞きながらの散策は楽しい
写真5/浦添グスク・ようどれ館全景。発掘された出土品が展示されているほか、説明映像も見られる
写真6/写真5の赤線円内をズームアップ。屋根を飾る鬼瓦が見える
写真7/浦添ようどれに続く園路にある暗しん御門。戦前はトンネルのようになっていた

▼関連する記事(建築家と探す『地域の魅力』)


※写真をクリックすると拡大して見ることができます。
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1389号2012年7月27日紙面から再掲載」

月別アーカイブ

ライター