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お役立ちコラム

本村ひろみの「おきなわ 暮らし散歩」<6>

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『かばんの中にはいつも本が入っている』


本が見つからない。
「たぶんこの辺りだったような・・・」

本棚、テーブルの上、読みかけを積んでいる机のそばやカゴの中、キッチン、ベッドサイド。数冊を併読するので家中に本が散らばっている。
リビングには重ねた本が一塊になり、ネコは雑誌の上で置物のように座っている。
「そうだ、あの時に読んでいたから・・・ソファのところかな」
そう広くないマンションの部屋。記憶を辿りながら推理する。

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かばんの中にはいつも本が入っている。
多いときは2冊以上。本屋さんに寄ってさらに増える。
そういえば学生のころからかばんはいつも重たかったっけ。
財布に携帯、ハンカチに化粧ポーチ。筆記用具に取材道具。そして最後に本。どんなに荷物が多くても、その本がその日のモチベーションだから仕方ない。

例えば読みかけの文庫だったり、文芸誌だったり。繰り返し読んでいる詩集だったり。大切な写真集を手にする日は、そんな気分だからBGMにもこだわる。

ラジオの天気予報で「最高気温25度、紫外線にも要注意」と告げていた。
取材で歩くと汗だくになるので、風を通すコットン素材の服にサンダル。そしてつばの広い帽子にサングラス。準備完了。

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さて、今日の持ち歩き本はボーダーインク発行の『おきなわ野山の花さんぽ』(写真/文 安里肇栄)。
お気に入りの本。見出しも興味をひく。
「草むらで輝くルリ色」とか「食べられなくて残念なイモ」「花がよく咲く年はご用心」。気になるのでそこからページを開く。
沿道のにぎやかな草花も、ひとつひとつ名前を調べては「これ、食べられるんだ」って驚いたりする。

少し歩いたところで甘い香りに誘われた。
クチナシだ。
そういえば本にも
“クチナシの実をなめてみたけど甘くなかった”と記されていた。
「確かに、この匂いだと思わずなめてみたくなるかも」
そんなのんきな事を考えていると楽しい気分になった。

ページをめくった時の紙の音。本の匂い。
紙の本が好きな理由はたくさんある。

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空を見上げると雲がゆっくり降りてきた。雨の匂い。
きっと天気雨。

バス停まで早足で急ごう。
本がぬれないように。
あたりが霧のような水蒸気で煙る前に。


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この記事のライター

本村 ひろみ

フリーパーソナリティー

本村 ひろみ

那覇市出身。清泉女子大学卒業。
ラジオやテレビのレポーターを経て、ラジオのパーソナリティ、式典や披露宴、イベントなどの司会として活躍中。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「プラチナ世代の活き方革命」でパーソナリティーを務める。沖縄県立芸術大学大学の修士課程を修了。英国サリー芸術大学に留学し、ファッション・デザイン課マスターコースで学んだ経験を生かし、デザインやイベントのプロデュースにも携わる。
http://cats007.ti-da.net/

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