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建築家と探す『地域の魅力』<平安座島・浜比嘉島・宮城島・伊計島(うるま市)>

霊場・歌碑 歴史散策スポットも

『島が織りなす多彩な景色』

赤い斜張橋が架かる海中道路を背に、多くのカイトが空に舞う
写真1 赤い斜張橋が架かる海中道路を背に、多くのカイトが空に舞う

平安座島・浜比嘉島・宮城島・伊計島(うるま市)

 うるま市の東側、海中道路等でつながる平安座島・浜比嘉島・宮城島・伊計島。執筆者の知念信正さん(新環境(株)代表取締役)は、宮城島の出身だ。そのことにちなみ、太平洋が広がり島影が連なる景色や、シルミチュー霊場や高離島歌碑(たかはなりじま)など、4つの島々の魅力が感じられるとっておきのスポットを案内してもらった。

文・写真/知念 信正
(社)日本建築家協会沖縄支部会員

 具志川市・石川市・勝連町・与那城町の4市町の合併により2005(平成17)年4月に誕生したうるま市。「うるま」の語源は「サンゴの島」を意味する沖縄方言だとか。漢字では「宇琉麻」を当てる人もいる。
 うるま市の東側には、平安座島、浜比嘉島、宮城島、伊計島、津堅島の5つの島がある。津堅島だけは現在も船で渡るしかないが、ほかの4島は海中道路等でつながっていて、昔に比べると利便性は大変良くなった。
 まずは、海中道路を背にカイトサーフィンの景色(写真1)。適度な風と浅瀬がサーフィンの好適な場所なのだろう。平日でもすごい数のカイトが宙を舞う。赤い斜張橋の景観もすばらしい。屋慶名側から平安座島への道路脇は、サーファーのたまり場だ。奥の島影は浜比嘉島である。
 その浜比嘉島の字比嘉のさらに奥、兼久ビーチ近くにあるのが、シルミチュー霊場である(写真2)。琉球開闢(かいびゃく)の神話が残っており、現在も年頭拝みにはノロ(祝女)が浜から小石を拾って来て、洞窟に安置された壺に入れるという。この霊場が建築的にも環境も心地いいのは、階段の踏面(ふみづら)と蹴上(けあげ)のバランスがとても良く、上りやすいことである。鳥居の前にはオオバギの大木があり、訪れる人を優しく迎えてくれるのがうれしい。
 次は宮城島にある坂道(写真3)。戦前から大道(ウフドー)と呼ばれる高台に10軒ほどの小集落があり、私はそこで生まれ育った。小学生のころ、この坂道を裸足で下って学校に通ったものだ。隆起石灰岩で台地状の所は上原部落とは大きな段差があり、岩を削って石を積み、農耕用通路やほかの部落への道路として整備したもの。数十年ぶりに歩いてみた階段は、現在も利用されている様子だ。

写真2/シルミチュー霊場。階段の踏面と蹴上のバランスが良く、上りやすい(写真左) 写真3/宮城島にある坂道。筆者が小学生のころの通学路でもある(写真右)
写真2/シルミチュー霊場。階段の踏面と蹴上のバランスが良く、上りやすい(写真左)
写真3/宮城島にある坂道。筆者が小学生のころの通学路でもある(写真右)

 宮城島の、高離バンタと呼ばれる大変見晴らしの良い崖の上にある高離島歌碑を見る(写真4)
 「高離島や物(むぬ)知らせどころ にゃ物知やびたん 渡ちたぼぅれ」
 歌碑には、平敷屋朝敏の妻・真亀(マガミ)が詠んだ琉歌が刻まれている。朝敏が処刑された後、真亀と娘がうるま市の高離島(宮城島)へ流されたことにちなみ、建立された。
 高離バンタから、手前中心に上原集落の民家と入江の前海(メーンミ)が、その奥には伊計島が見える(写真5)。高離バンタからの眺めは、まさに絶景ポイント。正月の初日の出拝みはここに限る。
 最後は、伊計島の犬名河(インナガー)(写真6)。数百年前に農夫が犬に導かれて湧水にたどり着き、伊計島唯一の水源地として命を支えた泉といわれる。急こう配の階段を下りた崖下の海岸近くにある。
 ドライブがてら、4つの島それぞれが織りなす多彩な景色をゆっくりと味わっていただけたら、とてもうれしく思う。

写真4 高離バンタにある高離島歌碑。平敷屋朝敏の妻・真亀が詠んだ琉歌が刻まれている
写真4 高離バンタにある高離島歌碑。平敷屋朝敏の妻・真亀が詠んだ琉歌が刻まれている
写真5 高離バンタからの眺め。手前は宮城島の上原集落、奥は伊計島。初日の出を拝むのに絶景のポイントだ(写真左) 写真6 伊計島の犬名河。島唯一の水源地として命を支えた泉といわれる(写真右)
写真5 高離バンタからの眺め。手前は宮城島の上原集落、奥は伊計島。初日の出を拝むのに絶景のポイントだ(写真左)
写真6 伊計島の犬名河。島唯一の水源地として命を支えた泉といわれる(写真右)

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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1418号2013年2月22日紙面から再掲載」

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