沖縄の不動産・賃貸・売買ならコノイエ+プラス

お役立ちコラム

本村ひろみの「おきなわ 暮らし散歩」<7>

待ち合わせ

『待ち合わせ』


「待ち合わせ」というシチュエーションに、
手帳の中で文字が小躍りしている。
それなので、15分くらい早く待ち合わせ場所に行って待つ。

「待ち合わせ」は街によく似合うコトバだ。

なじみの本屋さん
映画館の入り口付近。本屋さん。なじみの店。博物館やギャラリー。
お気に入りのカフェ。モノレールの駅。デパートの正面玄関。
場所を決める時から待ち合わせは始まっている。

支度をする間、待ち合わせまでの道のり、待つ時間。
時間の長さがそれぞれ違う。
準備していると時間はあっという間に過ぎていくのに、
待っている時間は秒刻みくらいの感覚。

10年くらい前の話。
国際通りでお土産屋さんを営んでいた母は、
父とよく待ち合わせをして夕飯の買い物に出掛けていた。
「夕方くらいに市場でねー」

那覇市国際通り

そんな約束の仕方で会えるのか気になって、
ある日、母について行った。
昼勤の店員さんたちが帰り始める午後6時前ごろ、
急ぎ足で市場に出掛け
丸一ミートでお肉をいっぱい買ってレジに行くと、
表の通りで父が餅を買っていた。
あうんの呼吸の待ち合わせ。

携帯電話のない時代、
私たちは目に見えないラインでつながっていた。

感覚はいつだってアナログだ。
時計の針の進行とは違う。進んでは戻ったり、たたずんだり、クロスしたり。
偶然のようで偶然ではない。
そんな時間の流れが待ち合わせにはある。

motomura20150514c
取材に行く前に出合ったネコ。
月桃の白い花が浮かび上がる暗闇の帰り道で、
時を知らせるように瞳の大きさが違っていた。

5月。
ファンファーレを奏でるトランペットのようなテッポウユリに見送られ、
黄色い歓声で彩られた通りに出た。イペーの花だ。
散歩道には梅雨空に映える鮮やかな花ばかり。
自然のつくり出す配色を、透明の傘越しに見ながら街を歩く。

motomura20150514e

バスを降りて待ち合わせの場所へと向かう。
大きな交差点を渡りシーサーを横目に通りを過ぎると、
仕事帰りの同級生に会った。
「またネー」って手を振り合って、笑顔で分かれる。
スージを抜けていくと早いかな。

(撮影/砂川和也)
(撮影/砂川和也)

ネコの多い坂道をのぼる。
待ち合わせの場所に、まだ待ち人の姿は見えない。

座り心地のいいイスがあった。
汗を拭いて一息。
アイスコーヒーを飲もう。
今日は気温も湿度も高い。

私はいまココで待っています。


本村ひろみさんのコノイエコラム
おきなわ 暮らし散歩 関連記事

本村ひろみの「おきなわ 暮らし散歩」

この記事のライター

本村 ひろみ

フリーパーソナリティー

本村 ひろみ

那覇市出身。清泉女子大学卒業。
ラジオやテレビのレポーターを経て、ラジオのパーソナリティ、式典や披露宴、イベントなどの司会として活躍中。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「プラチナ世代の活き方革命」でパーソナリティーを務める。沖縄県立芸術大学大学の修士課程を修了。英国サリー芸術大学に留学し、ファッション・デザイン課マスターコースで学んだ経験を生かし、デザインやイベントのプロデュースにも携わる。
http://cats007.ti-da.net/

月別アーカイブ

ライター