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お役立ちコラム

ウチナー御願ばなし<成就への感謝と災厄の解消>

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 沖縄独自の御願行事、火ぬ神(ヒヌカン)や屋敷の御願などはやり方や意味が分からなくて悩んでいる人は多いはず。その由来や実践方法まで、沖縄の歴史、民族に詳しい座間味栄議さんに教えてもらい、正しい知識を身につけよう!

成就への感謝と災厄の解消

火の神を通して神々に願いあげた御願は解く旨を伝える。
火の神を通して神々に願いあげた御願は解く旨を伝える。

御願解きの際にお供えするウチャワキ。ありあわせのもので十分。写真提供/むぎ社
御願解きの際にお供えするウチャワキ。ありあわせのもので十分。写真提供/むぎ社

ウグヮンブトゥチ

 暦(こよみ)<新暦>の上では「あらたまぬ年」を迎え、屠蘇(とそ)気分も抜けた。
 ところが旧暦の世界では師走に入り、年末から正月にかけて一連の行事がめじろ押しである。ムーチー、ウグヮンブトゥチ(御願解き)・火の神の上天の拝み、トゥシヌユールと続き、正月を迎える。
 旧暦の12月24日に営まれる御願は「ウグヮンブトゥチ」と言うが、「フトゥチウグヮン(解き御願)」と称されることもある。家庭では、火の神・トートーメー・屋敷の神々に、一年間にかなえられた願いごとや幸いなことに感謝し、逆に不幸なことや災厄などが解消されるよう祈る日である。それと同時に、もろもろの願を解く日ともされている。地域によっては集落の御嶽や殿などの拝所で神事の終了を神に告げる祈願が行われる。
 同じ日に屋敷の御願や火の神の上天の拝みを行う地域も多く見られるが、順序としては先に屋敷の御願を済ませ、次いでウグヮンブトゥチ、締めくくりとして上天の拝みとなる。

願いごとの総決算

 過去一年間の神々や祖霊への願いごとを総決算するという考え方は実にユニークである。しかも、こうした習俗が現在もなお継承されているところに沖縄文化の奥深さがあるのだろう。
 火の神の回りのすすを払い、ウコールの灰をほぐして縁をきれいに拭き取る。むやみに取り換えたり移動してはいけないとされるウコールもこの日は許される。
 掃除が終わったら供物をお供えし、線香タヒラ半(12本・3本)をあげて一年間の感謝の祈りを捧げ、災いや不幸な出来事については二度と起きないよう願う。
同時に、火の神を通して神々に願いあげた御願は解く旨を伝える。ついでトートーメーにも供物をお供えし、線香タヒラ(12本)をあげて一年間の守護に対する感謝と迎える年が良い年でありますようお守りくださいと祈る。供物は左記の通り(地域的な違いがある)。
◎火の神
 水・酒・花米と洗い米・赤ウブク(赤飯・3つ)・ウチャヌク(三飾り)
◎トートーメー
 お茶・酒・赤ウブク(2つ)・ウチャワキ(お茶受け)

上天の拝みとは

 上天の拝みとは、一年間の加護に対する感謝と家内の良いことだけを天の神へ報告してくださるよう願うことだ。
 一年の締めくくりとして火の神の上天の拝みをするのが一般的だが、必ずしも全島的に行き渡った習俗ではない。近年の傾向としてウグヮンブトゥチと上天の拝みを同日に行う地域が多くなったが、以前は別々の日とするのが普通であった。
 ともあれ供物はそのままにして上天の拝みを行う。

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~参考文献~
「沖縄行事料理とふるまい料理(むぎ社発行)」 主婦歴50年の7人が作った沖縄の「行事料理+ふるまい料理」73のレシピ。誰でも手軽に作れる。カラーさし絵のレシピが料理本のイメージを変える。

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執筆/座間味栄議(ざまみ・えいぎ)
 沖縄県の歴史・民俗を中心に地方出版物を刊行する出版社「むぎ社」を主宰。主な著作に「トートーメーQ&A」「沖縄の拝所」「オバァが拝む 火の神と屋敷の御願」など。御願行事について、やさしく伝えるサイト「御願ドットコム」も運営する。
http://www.ugwan.com/


<ウチナー御願ばなし>
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざにて連載<第1383号2014年1月9日より再掲載>

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