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お役立ちコラム

ウチナー御願ばなし<男の役割 女の役割>

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 沖縄独自の御願行事、火ぬ神(ヒヌカン)や屋敷の御願などはやり方や意味が分からなくて悩んでいる人は多いはず。その由来や実践方法まで、沖縄の歴史、民族に詳しい座間味栄議さんに教えてもらい、正しい知識を身につけよう!

男の役割 女の役割

神々との対話を大切にする拝所での御願は女性が中心となる
写真/神々との対話を大切にする拝所での御願は女性が中心となる

位牌。位牌祭祀を司るのは一般的には男性である。
写真/位牌。位牌祭祀を司るのは一般的には男性である。写真提供/むぎ社

セヂ高い沖縄女性

 皆さんは「サーダカウマリ」という言葉を耳にしたことがおありだろうか。神に近づき触れ合い、その声を聞いたり感じたりする能力や、神の不可思議な力をひき出すエネルギーを、沖縄では「セヂ」(サー、シジとも)という。
 古くから沖縄では、その不思議な力(霊力)ともいうべき「セヂ」は、女性の方が男性より強く持つとされてきた。女性は生まれながらにして神の力をひき出すエネルギーを強く持っているというわけだ。それだから、神に仕える役割を担うのは女性ということになる。
 村々のまつりごとや行事に際して、女性の神役は司祭者としての役割を担うが、男性の神役は補佐する側に回るのが一般的である。
 また、女の神役は人と神の仲立ちをしたり、神の意志を取りついだりするが、男の神役にはこうした役割はない。

御願行事の二本柱は

 家庭における御願行事の二本柱の一つ「トートーメー」<位牌(いはい)>にまつわる祭祀(さいし)は男性が司(つかさど)る。ジュールクニチー(十六日祭)や盆などのように、お墓や位牌を通して祖先をしのび供養する祖先祭祀を担うのは男の役割である。
 父方の血筋をひく男性(マシジという)を継承者とすることを条件とする位牌祭祀を男性が担うのはある意味では当然かもしれない。
 もう一つの柱である「火の神」にかかわる祭祀は女性が司る。チィタチ・ジュウグニチの御願をはじめとして、年中行事の際に神に語りかけて感謝し、いたわりなぐさめる役割を担うのは女性である。
 神との対話を大切にする火の神の御願や神々への祈りをセヂ高いとされる女性の役割とするのも、これまた理にかなっているといえよう。

男を守る女の霊力

 兄弟が船で旅立つときや出兵する際に、姉妹がその安全を神に祈ったり、お守りとして髪の毛やてぬぐいを持たせたという話はよく知られている。
 また、姉妹が白鳥となって兄弟の命の危機を救うという説話や、姉妹の霊がチョウに化身して兄弟を守るという歌も伝えられている。
 いずれも、男性に勝るセヂ(霊力)を持った女性が神々と交流し、その不思議な力をひき出し、男性を守るという話である。
 また、神います御嶽や拝所などで供物をお供えし、一心に祈るのは圧倒的に女性が多い。例え男性が同行したとしても、その役割は補佐的で、祈る位置も女性の後方に回り、万事控えめにするのが一般的である。
 このようなウグヮングトゥ(拝みごと)では女性が主要な役を果たし、男性はその補佐役に回るという男女の役割が今でも受け継がれている。

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~参考文献~
「沖縄行事料理とふるまい料理(むぎ社発行)」 主婦歴50年の7人が作った沖縄の「行事料理+ふるまい料理」73のレシピ。誰でも手軽に作れる。カラーさし絵のレシピが料理本のイメージを変える。

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執筆/座間味栄議(ざまみ・えいぎ)
 沖縄県の歴史・民俗を中心に地方出版物を刊行する出版社「むぎ社」を主宰。主な著作に「トートーメーQ&A」「沖縄の拝所」「オバァが拝む 火の神と屋敷の御願」など。御願行事について、やさしく伝えるサイト「御願ドットコム」も運営する。
http://www.ugwan.com/


<ウチナー御願ばなし>
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざにて連載<第1388号2014年2月13日より再掲載>

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