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金城真知子の「沖縄で、暮らす・はぐくむ」<7>

妊婦さんにとっての「ハマウリ」

 3月3日に「ひなまつり」があるように、沖縄でも旧暦の3月3日は女性の節句「浜下り(ハマウリ)」が行われる。

 ちょうどこの時期、沖縄では「海開き」シーズン。
 農作業や家事に追われる働き者の女性たちも、この日ばかりは、日々のお仕事を免除され、丸一日「浜に下りて」潮干狩りを楽しむ! という年中行事である。
 その日に食べる「三月御重」という特製重箱や、「三月菓子」という焼菓子があるくらいなので、当時の女性たちがどれだけハマウリを楽しみにしていたのかがよく分かる。

 とはいっても、私たちの世代では知らない人も多くて、ちょっとマイナーになりつつある行事というのが実情かもしれません。

 ことしのハマウリは4月21日で、平日ど真ん中。
 新学期がスタートし、小学生になったばかりの長男の「初・家庭訪問」前でバタバタしている私に、朝から母親が電話をかけてきた。

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 「ま~ち~、今日は海に行きなさいよ~」と一言。
 その日のお天気は、どんより曇っていて、気温も20度前後と低め・・・。カーディガンが必要なほど肌寒いし、「また今度でもいいかな?」と尋ねると、

 「あい、おなかの中の赤ちゃんのためだよ~。砂で身を清めて、安産で、元気な子どもが生まれてきますように~って意味もあるから、今日でちゃんと行ってきなさい」と、普段はみられない母の強い口調。

「妊婦さんにとっては、安産祈願の一つ」

 白い砂で女性の身を清めるという意味もあるハマウリ。海の中に入らずとも「砂浜に足を少しうずめるだけでもいいんだからね~」と、最後に母は優しく言葉を添えてくれた。

 現在、3人目を妊娠中の私。
 そういえば、上の二人の時も、同じように母親から連絡があったっけ!
 いつもなら「今の人たちは忙しいから、無理しないでいいよ~」という穏やかな人なのに、やっぱり娘の出産となると再び「母親」の顔に戻る。

 早速、ワンピースに上着を羽織り、ビーチサンダルと足拭きタオルを持って、近所の「波の上ビーチ」へ・・・。

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 どんより曇り空のお天気でも、やっぱり人はいた!
 素足で白砂の上を歩くと、足指の間をサラサラと砂がすり抜けてくる。一歩ずつ足型を付けながら波打ち際へ。ひんやりとした海水は、想像をはるかに超えて気持ちいい!

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 5カ月になって、少し目立ってきたおなかをさすりながら、「会えるのを、み~んなで楽しみにしているからね~」と、小声でつぶやいた。

 その後、波の上の公園を少しお散歩していると、おばちゃんたちが、シロツメクサの芝生の上に集まっている。ちらほら食べ物が見えるから、きっとおばちゃんたちなりに現代版にアレンジしたハマウリを楽しんでいるのだろう。
 聞こえてくる陽気な笑い声に、こちらまで元気をもらえる。

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 「女の子だったら、一緒にハマウリしよ~ね~」
 おなかのベイビーちゃんに小さく語りかけながら、ひんやりとした短い沖縄の春を満喫した一日だった。


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この記事のライター

金城 真知子

フリーパーソナリティー

金城 真知子

1979年、南城市佐敷出身。
琉球大学法文学部を卒業後、RBCiラジオ、FM沖縄を中心にラジオパーソナリティーを務めるほか、ウエディングの司会も手掛ける。FM沖縄の番組「ちゅら玉・浪漫紀行」では、ライター兼ナレーターを担当。沖縄の黄金言葉(格言)や自然、習慣などを題材に800本以上のショートストーリーを作成した。印象評論家・重太みゆき氏の下で学び、2014年から認定トレーナーとして「M.snowⓇスマイルトレーニング」を毎月開催。2児の母。
 
ウェディング司会者:金城真知子 HP
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沖縄で、笑顔の種まき・ブログ
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