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お役立ちコラム

目からウロコのうちな〜グリーン -1-

 寄せ植えの七栄グリーン代表の伊波英雄さんが、沖縄の気候風土の特徴を踏まえ、沖縄に適した植物の育て方をアドバイス。一般的なマニュアルではなく、ちょっと驚きの「目からウロコ」情報を紹介します。

沖縄の気候と植物栽培

厳しい環境も工夫次第で改善

目からウロコのうちな〜グリーン01

雨の日には花にも傘をさして!

 傘をさして雨を防いでいる寄せ植え。花を長持ちさせ、病気から守るのには最適。マンゴー栽培で花をビニールで覆うのは雨で花粉が駄目にならないため

 今月から、沖縄で花や野菜を育てる上で基本的な要素について、少し辛口になりますが、私なりにアドバイスします。
 「南国沖縄、暖かくて人は暮らしやすいから植物にも快適」と思っていませんか。実は、沖縄は植物栽培にはきわめて厳しい環境です。
 一番大きいのは毎年数回襲ってくる台風。「台風は天災で、被害は人災」というのが私の考え。原因は「風」。ネットなどを使い風を弱くする努力は必ずすべきです。
 そして、雨は植物にとっては「恵み」だと信じていませんか。雨で葉が濡れている時間が長いほど植物は病気にかかりやすく、葉の寿命も短くなりマイナス面が多いのです。冬は少しいいのですが、気温が上がるとひどくなります。花を長く楽しみたい場合は、鉢を軒下に避難させるか、透明の傘をさすなどの工夫が必要です。他の果物も同じで、開花時に雨が多いと病気が発生しやすかったり、実付きが悪くなります。

日本一硬い土壌

 また、あまり知られていませんが、沖縄の土壌は日本一硬いのです。気温が高い沖縄では腐食(有機物)の分解速度が早く、有機物がすぐに分解されてしまいます。そのため、分解されない無機物だけが残り、空気のない硬い土になるのです。寒い地方ほど腐食の分解は遅いため、ゆっくり有機質が堆積して軟らかい土になります。土が軟らかいと植物の根がスムーズに伸び、逆に硬いと伸びにくくなるのです。これを改良するには有機物をほどこし、空気の層を作ってあげることです。

 そして、南国ならではの特徴として1日の最高気温と最低気温の差「日較差」が少ないことが挙げられます。実は日較差が大きい(5~10度)と植物の栽培が簡単で、花が良く咲く場所や農作物の産地は日較差が大きい地域です。沖縄県で多くの植物の夏栽培が難しいのは、日中も夜間も温度差が少ないことが原因です。逆に北海道の野菜がおいしいのは日較差によることが大きいのです。

目からウロコのうちな〜グリーン02
 軒下に植物を置いて、紫外線や雨から守ってあげると、緑もよりいっそう生き生きと

紫外線は人にも植物にも大敵

 沖縄の特徴として挙げられるのは紫外線の強さ。本土と比べ、曇りでも紫外線が格段に強いのです(グラフ参照)。紫外線は植物の成長ホルモンを抑え、生育を抑制します。そのため良い収穫は望めず、葉野菜は堅くなって、ビタミンは多くなる半面、生食に向かなくなります。
 最近、菊農家でネットで覆う栽培法を取り入れていますが、野菜農家でもぜひ取り入れていただきたいです。台風の被害もかなり軽減できる沖縄に合った農法と思われます。
 家庭の花や野菜苗でも初期栽培はビニールやネットなどで覆ってあげると、誰でも楽に栽培できます。「沖縄県民の身長が低いのは紫外線のせい?(冗談ですが)」とも思うのですが、人間にも当たりすぎはよくないことは事実です。

紅斑紫外線量グラフ


執筆:伊波英雄(いは・ひでお)
 1951年、宜野湾市生まれ。南九州大学園芸科卒業。沖縄での花栽培、千葉県で花壇会社に勤めた後、寄せ植えの七栄グリーン設立。現在、コンテナスタイルオーガスタの伊波京子氏と共に活動。講談社より「七栄グリーンのコンテナスタイル」出版。

※この連載は、県内外で寄せ植えや植栽について指導や講演を行う伊波英雄さんが執筆します。


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1425号 2013年4月12日掲載」

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