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ウチナー御願ばなし<数字「七」の意味するもの>

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 沖縄独自の御願行事、火ぬ神(ヒヌカン)や屋敷の御願などはやり方や意味が分からなくて悩んでいる人は多いはず。その由来や実践方法まで、沖縄の歴史、民族に詳しい座間味栄議さんに教えてもらい、正しい知識を身につけよう!

写真:沖縄の行事には欠かせない七品の重箱料理
写真:沖縄の行事には欠かせない七品の重箱料理

数字「七」の意味するもの

写真:創世神・アマミキョがつくったとされる「安須森(アシムイ-国頭村)」
写真:創世神・アマミキョがつくったとされる「安須森(アシムイ-国頭村)」

ものごとを象徴する数

 洋の東西を問わず、「七(なな)」という数はラッキーセブンに象徴されるように、何とはなしに幸運が舞い込むというイメージを抱かせてくれる。
 ところが、御願にまつわる「七」という数は、ただ単に運(うん)否(ぷ)天(てん)賦(ぷ)による吉数を意味するものではない。
 七のつく御願言葉をザッとあげてみると、「ナナハシゴ」、「七つ橋」、「七橋七カジマヤー」、「七品」、「ナナマブイ」、「グソーの七役場」、「七御嶽」などがある。
 かいつまんで解説すると、以下のようになる。

<ナナハシゴ>
マブイグミの儀式で使われる七節の竹あるいはバショウの葉柄でつくったハシゴの模型。抜け落ちたマブイはそのハシゴを登ってもとのからだにもどるとされている。

<七つ橋>
祭祀組織への加入儀礼であるイザイホーで、神アサギの入り口に置かれる木のハシゴ。ナンチュがこのハシゴを渡って神アサギに入る。七回繰り返されることから七つ橋渡りともいう。

<七橋七カジマヤー>
カジマヤーユーエーのとき、風車を持って七か所の十字路を渡ること。模擬葬式の儀式として行う地域もある。

<七品>
重箱に詰める料理の品数。

<ナナマブイ>
人間に宿るマブイ(霊魂)の総称。ナナは複数という意味で使われる。

<ナナキブイ>
一門の繁栄をナナキブイ(七煙)などといい、かまどから立ち昇る煙にたとえて表現する。

<グソーの七役場>
霊能者などが唱えるグイスの中で登場するあの世の役場のことで、グソーの神さまがつかさどるとされている。

<七御嶽>
琉球開びゃく神話の中で語られる創世神・アマミキョがつくったとされる御嶽。

 こうしてみると、御願の中で使われる「七」という数字がただ単にものを数え、記録するためだけでなく、ものごとを象徴する数として使われていることがおわかりいただけただろう。

七は「カミ(神)の数」

 沖縄には「家七代にしてカミが生まれる」という古い諺(ことわざ)がある。ヤーダチ(家の設立)して七代も経つとカミが誕生するということだ。ただ、ここで言う「カミ」とは通俗的な意味での「神さま」ではない。祖霊が昇天して祖神の仲間入りをするということをさし、クヮッウマガや一門を守護するカミになることを意味している。
 自己からさかのぼって六世(六代目)までは先祖といい、七世以前から始祖までを「カミ」とよんで区別するのも、こうした考え方が背景にあるのだろう。
 七代を境にして先祖とカミに分かれる。「七」はまさにカミの領域を象徴的にあらわす聖数、つまりは「カミの数」ということになる。

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~参考文献~
「沖縄の聖地」。東御廻り(アガリマーイ)と今帰仁上り(ナチジンヌブイ)の神ウガミと開びゃくの七御嶽の聖地巡拝ガイド。

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執筆/座間味栄議(ざまみ・えいぎ)
 沖縄県の歴史・民俗を中心に地方出版物を刊行する出版社「むぎ社」を主宰。主な著作に「トートーメーQ&A」「沖縄の拝所」「オバァが拝む 火の神と屋敷の御願」など。御願行事について、やさしく伝えるサイト「御願ドットコム」も運営する。
http://www.ugwan.com/


<ウチナー御願ばなし>
写真提供/むぎ社
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざにて連載<第1408号2014年7月3日より再掲載>

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