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沖縄の建築家が考える住まい・デザインの発想【デザインのもと<3>】

<写真1>1930年代に造られたロンドン動物園のペンギンプール。らせん状のスロープが交差する独特の構造。現在、ペンギンたちはLubetkin Penguin Poolではなく、イギリスで最大のペンギンプール「Penguin Beach」で飼育されている。© ZSL‐Lubetkin Penguin Pool copyright: ZSL © ZSL London Zoo
<写真1>1930年代に造られたロンドン動物園のペンギンプール。らせん状のスロープが交差する独特の構造。現在、ペンギンたちはLubetkin Penguin Poolではなく、イギリスで最大のペンギンプール「Penguin Beach」で飼育されている。© ZSL‐Lubetkin Penguin Pool copyright: ZSL © ZSL London Zoo

骨格を美しく

 モデルやアスリートが着ている服や身に付けているものを見て、カッコイイなと思ったことはありませんか? 骨格や筋肉のバランスが整っていると美しく見えます。
 骨格や筋肉は、体を支えたり動かす部分。これまでお話ししてきた構造の部分ですね。モデルが、普通のジーンズやTシャツを着ているだけでも、どことなく良さげに見えるのは私だけでしょうか?
 構造となる骨組みは、美しさの土台になると思います。今回は建物の場合はどうか、骨組みだけで魅せる建造物を紹介します。

 まずは海外からのお気に入りです。<写真1>は、ロンドン動物園にあるペンギンたちのスロープ。薄い板状の鉄筋コンクリートをらせん状に形成し、交差させた軽やかなスロープです。そこをペンギンたちが歩くという、なんとも魅力的な光景です。もし、このスロープが下から柱や壁で支えられていたら、軽やかなデザインが台無しです。
 このように、美しいスロープのみで自立させるためには、以前お話した構造計算という技術が必要になります。

<写真2>ジュエリーショップ「グランブルー」=恩納村
<写真2>ジュエリーショップ「グランブルー」=恩納村

 次は県内からです。<写真2>は指輪をイメージした建物。鉄筋コンクリートで切れ目のないリングをデザインしています。もちろん、この形状のまま自立できるように構造計算されています。
 これをもし、柱、梁、床、壁と明確に区別して構成すると、場合によっては継ぎ目が見えたり、丸みはなくて厚みのあるずんぐりとしたリングになってしまうかもしれません。
 このように骨組みとなる構造には、「美しさ」と密接な関係があります。

執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)

執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)
すえまつ・しんご/一級建築士。東京で構造家の今川憲英氏、池田昌弘氏のもとで修行した後、県内建築士事務所を経て、2001年、エス・エヌ・ジーデザイン設立

▼HP
sngDesign(エス・エヌ・ジーデザイン)
http://sng-design.com/

▼関連記事はこちらから
<11>構造技術を空間と一体に
<10>強さと経済性とデザイン
<9>使い方で変わる木材の強さ
<8>基礎を知る<後編>
<7>基礎を知る<前編>
<6>疑問を解決してみる
<5>素材の特徴生かす
<4>形に秘められた能力
<3>骨格を美しく
<2>構造とデザインの関係
<1>構造って何?


<デザインのもと>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1537号2015年6月19日紙面から再掲載」

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