沖縄の不動産・賃貸・売買ならコノイエ+プラス

お役立ちコラム

沖縄の建築家が考える住まい・デザインの発想【デザインのもと<4>】

形状が特徴的な「屋根だけの家」。設計監理:エス・エヌ・ジーデザイン
<写真1>形状が特徴的な「屋根だけの家」。設計監理:エス・エヌ・ジーデザイン

形に秘められた能力

「かたち」には、力との関係が密接にあります。例えば、折り紙。ペラペラな1枚の紙も、折っていくにつれて強くなる様子が分かります。このように「かたち」の持つ特性を生かした建築をご紹介します。

自然が教えてくれる構造の形

 カーブを描いた<写真1>の住宅の構造は、電線が自然に垂れている様子からヒントを得ています。電線は重力に従って素直に垂れています。つまり、自然界の中でバランスがとれている状態と言えます。
 この形をひっくり返すことによって、重力とバランスのとれた「屋根だけの家」を造ってみました。他のアーチと比べて自然体なので、14.5メートルもの長さの屋根を1枚で自立させることができました。<写真2>は、実際に予定していた「垂れた形状」になっているのかを確認している様子です。

実際にひもを垂らした状態と屋根の形状を比較。カーブの状態がぴったりマッチ。自然界とのバランスが取れている状態
<写真2>実際にひもを垂らした状態と屋根の形状を比較。カーブの状態がぴったりマッチ。自然界とのバランスが取れている状態

「V字」の力強さから生まれた構造

 次は、鉄骨の階段<写真3>をご紹介します。通常階段は、壁や柱で支えるのが一般的です。しかし、頭を横にして階段をよく見ると、足を広げた感じに見えませんか?
 両足を広げて立つと倒れにくいですよね。この形をそのまま階段に生かしたのがこの階段です。シンプルで軽やかだと思いませんか?
 このように「かたち」の特徴を生かした構造デザインも、なかなか楽しいと思います。

両足を広げた状態(バランスよく支えている状態)からヒントを得た階段。写真=「ねこハウス」。設計監理:エス・エヌ・ジーデザイン
<写真3>両足を広げた状態(バランスよく支えている状態)からヒントを得た階段。写真=「ねこハウス」。設計監理:エス・エヌ・ジーデザイン

執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)

執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)
すえまつ・しんご/一級建築士。東京で構造家の今川憲英氏、池田昌弘氏のもとで修行した後、県内建築士事務所を経て、2001年、エス・エヌ・ジーデザイン設立

▼HP
sngDesign(エス・エヌ・ジーデザイン)
http://sng-design.com/

▼関連記事はこちらから
<11>構造技術を空間と一体に
<10>強さと経済性とデザイン
<9>使い方で変わる木材の強さ
<8>基礎を知る<後編>
<7>基礎を知る<前編>
<6>疑問を解決してみる
<5>素材の特徴生かす
<4>形に秘められた能力
<3>骨格を美しく
<2>構造とデザインの関係
<1>構造って何?


<デザインのもと>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1541号2015年7月17日紙面から再掲載」

月別アーカイブ

ライター