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沖縄の建築家が考える住まい・デザインの発想【デザインのもと<5>】

<写真1>
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素材の特徴生かす

 建築物を支えるための構造に利用される「素材」は、木、鉄、コンクリートなどが代表的です。これらを使い分けると、どのようなことができるか。それぞれの特徴を生かした実例を紹介します。

適材適所に使い分ける

 <写真1>は木と鉄、鉄筋コンクリートを使用した建物。まずは材料の選定から見てみましょう。
 この建物は傾斜地に建つ平屋のお寺です。地盤への負担を軽減するため、建物を軽量化することに。軽い素材と言えば「木材」です。本堂の空間として木材を見せることは、お寺を連想させる空間演出にも貢献できると考え、屋根は木材を採用。基礎や壁は、強固にするため「鉄筋コンクリート」を使用しています。
 さて、木材は直線的な材料が基本。その直線の組み合せを工夫して三次曲面の屋根を造りました<写真2>。実はこの屋根は単純なルールに従った三つの直線でできています。一見、複雑ですが、直線の組み合わせなので、施工も特殊なことをせず建築出来ました。

<写真2>
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施工性を考えた選定

 実はこの三次曲面を造る際、木材だけで造ると、加工が難しくなる箇所がありました。それは<写真3>の右側の屋根をのせている箇所。木材の角度が1本ずつ異なることから加工や精度が複雑になってしまう部分です。
 角度の異なる木材の取り合う部分(接点)が、丸い形状ならより簡単になります。そこで活躍したのが、市販品でも入手できる丸い形の「鉄」です。しかも鉄は軽く強度も高いため、部材を小さくできます。鉄の採用でスッキリとしたインテリアが実現できました。
 このように材料の特徴を生かし適材適所に使い分けることで、長所を生かして欠点を補い、デザイン性をより高めていくことができると思います。

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執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)

執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)
すえまつ・しんご/一級建築士。東京で構造家の今川憲英氏、池田昌弘氏のもとで修行した後、県内建築士事務所を経て、2001年、エス・エヌ・ジーデザイン設立

▼HP
sngDesign(エス・エヌ・ジーデザイン)
http://sng-design.com/

▼関連記事はこちらから
<11>構造技術を空間と一体に
<10>強さと経済性とデザイン
<9>使い方で変わる木材の強さ
<8>基礎を知る<後編>
<7>基礎を知る<前編>
<6>疑問を解決してみる
<5>素材の特徴生かす
<4>形に秘められた能力
<3>骨格を美しく
<2>構造とデザインの関係
<1>構造って何?


<デザインのもと>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1546号2015年8月21日紙面から再掲載」

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