沖縄の不動産・賃貸・売買ならコノイエ+プラス

お役立ちコラム

ウチナー御願ばなし<不変のウコードゥ コーコー>

-18-

 沖縄独自の御願行事、火ぬ神(ヒヌカン)や屋敷の御願などはやり方や意味が分からなくて悩んでいる人は多いはず。その由来や実践方法まで、沖縄の歴史、民族に詳しい座間味栄議さんに教えてもらい、正しい知識を身につけよう!

ウコーは「心身を清浄にして供養する」ためにたき上げるもの
ウコーは「心身を清浄にして供養する」ためにたき上げるもの

不変のウコードゥ コーコー

店頭に並べられた「ウチカビ」(左)と「ヒラウコー」
店頭に並べられた「ウチカビ」(左)と「ヒラウコー」

何でもありの世界

「何でもありだが、何一つ確かなものはない」というのが信心の世界と思うのだが、御願の世界も決して例外ではない。
 御願の際の主婦の悩みの一つが、「祭祀や祈願する内容によって使い分ける線香の本数」であろう。
 本数を示す言葉一つとってみても「サンポンウコー」から「ニジュウヨンホンウコー」、果ては「サンジュウロッポンウコー」まである。加えて「ヒラウコー」と呼称される沖縄線香の場合、一片(チュヒラ)が日本線香の六本分に相当するとされ、それを割って組み合わせて使用する場合もある。
 そのうえさらに、「コーブン」と称して拝む人により本数も異なるとあっては、「いったい何本あげるのが正しいのか?」ということになる。それがいきすぎると、結果として「何でもあり」の世界になってしまうだろう。
 霊能者は、本数について言葉巧みに理由付けをし、まことしやかに意味を説いてみせるが、素直に受け入れ難い。実際には地域的な偏差があり、個々人の違いも見られるのが普通だからだ。
 線香は「心身を清浄にして供養する」ためにたき上げるもの。いたずらに線香の本数にこだわり、主婦が霊能者のごとく振る舞うのは決して賢明とはいえないだろう。

何一つ確かな物はない

 供物についても線香と同じことがいえるだろう。
 ウサンミと称される重箱(重詰)料理も、品数から中身、そして盛り付け方まで個人や門中によって異なる。そして、地域的な違いも当然ある。
 伝統を強調するとはいっても、「シシ カマブク(肉 かまぼこ)」という言葉に象徴されるように、せいぜい豚肉と魚を中心とした料理といった程度のこと。
 ウチャヌクも二飾り三飾り、ウブクも二つ三つと祭祀や祈願する場面によって使い分ける人もいれば、いちいち分けないという人もいる。
 ミハナ(御花)とよばれる御願の際に使用するハナグミ・アライグミ(花米・洗い米)もまたしかりである。もっといえば、ウチカビ・シルカビの使い分けもあやふやで、枚数もまちまちである。
 まさに「何一つ確かなものはない」という世界なのである。
 それでいて「供物は昔から決まっている」、だから「昔どおりにやらないと通らない」と信じている人が多い。時代とともに供物にも変化が出てくるのはしごく当然のことであり、未来永劫変わることがない、と考えるのは狭い了見であろう。
 心から偲び慰め、供養するというのが御願の本質であり、「ウコードゥ コーコー」という先人の残した言葉が、唯一不変の価値をもつ。

1383hp_uchinaugan03
~参考文献~
「沖縄行事料理とふるまい料理(むぎ社発行)」 主婦歴50年の7人が作った沖縄の「行事料理+ふるまい料理」73のレシピ。誰でも手軽に作れる。カラーさし絵のレシピが料理本のイメージを変える。

▼関連する記事(ウチナー御願ばなし)


執筆/座間味栄議(ざまみ・えいぎ)
 沖縄県の歴史・民俗を中心に地方出版物を刊行する出版社「むぎ社」を主宰。主な著作に「トートーメーQ&A」「沖縄の拝所」「オバァが拝む 火の神と屋敷の御願」など。御願行事について、やさしく伝えるサイト「御願ドットコム」も運営する。
http://www.ugwan.com/


<ウチナー御願ばなし>
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざにて連載<第1417号2014年9月4日より再掲載>

月別アーカイブ

ライター