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ウチナー御願ばなし<揺るがぬトートーメー信仰>

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 沖縄独自の御願行事、火ぬ神(ヒヌカン)や屋敷の御願などはやり方や意味が分からなくて悩んでいる人は多いはず。その由来や実践方法まで、沖縄の歴史、民族に詳しい座間味栄議さんに教えてもらい、正しい知識を身につけよう!

トートーメー(位牌)は、沖縄の信仰生活の要となっている
トートーメー(位牌)は、沖縄の信仰生活の要となっている

揺るがぬトートーメー信仰

沖縄の位牌祭祀の特徴

 位牌(いはい)を通して故人の霊を偲(しの)び、供養する習俗が生まれたのは中国である。
 中国の牌位(ペイ・ウェイ)の習俗が禅宗とともに鎌倉時代から中世のころに日本に伝わり、念仏宗などが発展するにつれ、民衆にも故人の霊を敬う気持ちや追善供養の風潮が起こり、位牌が普及していったと考えられている。
 沖縄に伝わったのは、二つのルートがあるとされている。
 その一つがクニンダ(久米村 唐栄)を通して伝わったルート。もう一つが日本に伝わり、それが臨済宗(禅宗の一つ)を通して沖縄に伝わったルート。
 二つのルートのうち、農漁村(平民層)まで広く浸透したのは、日本経由で導入された位牌祭祀である。本土と沖縄では位牌の形態は異なるものの、祭祀の上では共通したものが多いのもこうした背景があるからだろう。
 ただ、沖縄の位牌祭祀および位牌継承に関しては独自のルールとタブーが今なお存在し、それが沖縄の位牌祭祀を特徴づけており、他方では俗にいうところの「トートーメー問題」を引き起こす一因ともなっている。

独自のルールとタブー

 ルールは「約束ごと」であり、タブーは「してはいけない」ということ。それがいつの間にか「ならわし」(慣行)として受け継がれ、今日に至っているわけだ。
まずルールから見ていく。
一、正しい継承者は嫡男(正妻との間に生まれた長男)でなければいけない。
二、娘に継がせてはいけない。
三、継ぐべき男子がいない場合でも、父方の血筋を引かない者に継がせてはいけない。
四、二、三男以下は分家して将来タチクチグヮンス(創立元祖)として祀られなければいけない。
 一のルールは、嫡男をさしおいて他の者(二、三男など)が位牌を継承することはいけないとし、継承順位はあくまでも長男優先であるといっている。
 二のルールは、娘が生家の位牌の継承者になることを禁じるとともに、生家の位牌に祀られることも禁止している。
 三のルールは、継承者を男系血縁者に限定し、血筋の異なる者を排除している。
 四のルールでは、兄弟を一つの位牌に名を連ねて祀ることを禁止している。
 四つのルールを守り継承された位牌は、一世代につき一組の夫婦のみを祀るという沖縄特有の理想的な形が実現するというわけだ。ただ、実際には四つのルールを守ることは至難であり、次善の策として現実的な対応がとられることになる。
 次回以降、次善の策とはいかようなものかをさぐりながら、「トートーメー問題」について考えてみる。

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~参考文献~
「トートーメーQ&A(むぎ社発行)」
 トートーメーの継承問題を一問一答形式でズバリ答え、併せて年中行事や人生儀礼とトートーメーとの関わり方をまとめた。

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執筆/座間味栄議(ざまみ・えいぎ)
 沖縄県の歴史・民俗を中心に地方出版物を刊行する出版社「むぎ社」を主宰。主な著作に「トートーメーQ&A」「沖縄の拝所」「オバァが拝む 火の神と屋敷の御願」など。御願行事について、やさしく伝えるサイト「御願ドットコム」も運営する。
http://www.ugwan.com/


<ウチナー御願ばなし>
毎週木曜日発行・週刊ほ〜むぷらざにて連載<第1421号2014年10月2日より再掲載>

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