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「ふつう」ってありがたい!【いえを楽しむ絵本のトビラ】

いえを楽しむ絵本のトビラ<7>

「ふつう」ってありがたい!

文/仲宗根敦子
(子育て絵本アドバイザー)

 あなたは、今の暮らしに感謝していますか? 「ふつうってありがたいことなんだね~」、そんな感想が子どもたちからも出てくる絵本が、マーゴット・ツェマック作の「ありがたいこってす!」です。
 とても貧しく、9人の大家族ながら一部屋しかない狭い家に住んでいる一家の主人。毎日夫婦げんかで、子どもたちもうるさく、争いばかり。そんな生活がイヤになった主人は、ラビというユダヤの法律博士に相談に行きます。
 ラビは「庭で飼っている鶏を家の中に入れて暮らしなさい」と言います。その通りにすると、家の中はもっと荒れて、ひどくなりました。困り果ててラビに相談に行くと今度は、「飼ってるヤギを家の中に入れて一緒に暮らしなさい」という。もちろん、家の中はもっと荒れに荒れました。また困ってラビに相談に行くと、飼ってる牛までも家に入れて一緒に住むように伝えます。
 指示通りに生活した一家は、数日で耐えられなくなります。そこでラビに訴えると、とうとう「全ての動物を家から出しなさい」と告げました。その日の夜、哀れな貧しい一家は全員、ぐっすり静かに休むことができました。それからはけんかをすることもなくなり、主人は「ありがたいこってす!」とラビに感謝を伝えるという、ユダヤ民話の教えの物語です。
 家の狭さも貧しさも実は、何一つ変わっていません。変わったのは、今までの暮らしが「ありがたいこと」なのだと気付いた家族です。「ふつう」とは、いつどこにでもあるありふれたこと。人は、今ある環境を当たり前だと思ってしまいます。健康も当たり前で、病気になったときにありがたさに気付く…。家も同じかもしれません。
 今の環境から目をそむけて不満を持ち、「いつか理想の暮らしを!」なんて考えるだけでは、幸せは手には入らない気がします。「今ある環境で最善を考える」ことが、理想の暮らしを手に入れる近道なのかもしれませんね。

マーゴット・ツェマック/作、わたなべしげお/訳、童話館出版、定価1400円+税
マーゴット・ツェマック/作、わたなべしげお/訳、童話館出版、定価1400円+税

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子育て絵本アドバイザーの仲宗根敦子

執筆者
仲宗根敦子(なかそね・あつこ)
一般社団法人日本子育て協会子育て絵本アドバイザー®、エンパシーライティング・コーチ

▼BLOG
 http://ameblo.jp/kako3kako3kako3/
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1553号2015年10月9日紙面から再掲載」

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