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東南植物楽園のガイドマスターが沖縄の花木を巡る【沖縄の花木めぐり<2>】

沖縄の花木めぐり
ガジュマル

「枝葉から気根伸ばし貫禄」

 東南植物楽園のガイドマスター、飯村俊宏さんに沖縄の花木めぐりをガイドしてもらう本連載。今回は「ガジュマル」。飯村さんは「キジムナーが住んでいる、絞め殺しの木、歩くなど、ガジュマルには興味深い話がたくさんあります」と話している。

枝葉からひげのような気根を伸ばすのが特徴のガジュマル
枝葉からひげのような気根を伸ばすのが特徴のガジュマル

そもそもガジュマルってどんな植物なのでしょうか? 
 ガジュマルは、クワ科イチジク属(フィカス属)の植物で、仲間にはイチジク、アコウ、インドゴムノキ、ベンジャミン、オオイタビなどがあります。
 これらガジュマルの仲間にはある共通点があります。それは、「気根(きこん)」。幹や枝から鬚(ひげ)のように伸びてくる根のことで、空気中から栄養素を吸収、水分を吸ったり出したりする働きをします。ガジュマルの特徴の一つでもあります。

「絞め殺しの木」の異名も

 誰しも「ガジュマルにはキジムナーが住んでいる」という話を一度は耳にしたことがあるはず。一般的に、キジムナーはガジュマルの古木に住んでいると言われます。なぜ古木に住むのでしょう。一説には、古木には気根がたくさん伸びているので身を隠しやすいからという話があります。キジムナーが安心して生活することができるというわけです。
 次に、ガジュマルが「絞め殺しの木」と呼ばれる理由をお話しします。これには鳥が関係します。
 4~5月、ガジュマルは赤紫の実をつけます。鳥がこの実を食べた後、他の木の上でふんをします。この中にはガジュマルの種が混じっていて、それが樹上で発芽して気根を伸ばします。
 気根が地面まで到達すると、今度は、その木を包み込むようにさらに気根を伸ばし、やがて完全に元の木を覆い『絞め殺してしまう』のです。
 ガジュマルに限らず、クワ科イチジク属の仲間同士でも、互いの環境を維持するため、気根を伸ばし他の植物を絞め殺してしまうことも。時にガジュマルも、その戦いに負けてしまうことがあります。
 三つ目は「ガジュマルは歩く」という話です。ガジュマルは枝から気根を伸ばし、それが地面に達するとさらに太くなり、次第に幹と気根の区別がつかなくなっていきます。その際、気根を伸ばした先が主根の場所より栄養や水が多ければ、次々に気根を伸ばして主根を衰退させます。
 そして何十年もの間、根の衰退と再生を繰り返しながら「ゆっくりと歩く」のです。この気根こそが、ガジュマルのうわさ話の大本になっているのです。

観葉植物としても人気

 ガジュマルは、最近は観葉植物としても人気です。生命力が強いことから、ガジュマルの鉢植えや盆栽を家に置くことは風水上においても非常に良いと言われています。
 風水の専門家によると、ガジュマルの鉢植えや盆栽を部屋の西や東北東、北側に置くと、金運や運気が上がり、南に置くと厄よけ効果があるとのこと。ただし、ガジュマルを枯らしてしまうと逆効果になるそうなので注意は必要です。興味のある方はチャレンジしてみてください。

根の「衰退」と「再生」を繰り返して育つ

岩に気根が絡みつき一体となった様子
岩に気根が絡みつき一体となった様子
ガジュマルの実
ガジュマルの実

他の植物に負ける時も

私が働く施設内では、ガジュマルがシェフレラ・ホンコンに絞め殺されつつある光景を見ることができます。シェフレラ・ホンコンはウコギ科フカノキ属で、この種も環境によって気根を出します。
私が働く施設内では、ガジュマルがシェフレラ・ホンコンに絞め殺されつつある光景を見ることができます。シェフレラ・ホンコンはウコギ科フカノキ属で、この種も環境によって気根を出します。

身近なガジュマルの仲間

ガジュマルと同じく気根が非常に目立つ「アコウ」
ガジュマルと同じく気根が非常に目立つ「アコウ」
幹から出る乳液がゴムの原料になる「インドゴムノキ」
幹から出る乳液がゴムの原料になる「インドゴムノキ」

植物の写真はすべて東南植物楽園提供(沖縄市)


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東南植物楽園のガイドマスター:飯村俊宏氏
東南植物楽園のガイドマスター:飯村俊宏氏

▼執筆
 飯村俊宏(東南植物楽園ガイドマスター)

▼東南植物楽園HP
 http://www.southeast-botanical.jp/


<沖縄の花木めぐり>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1531号2015年5月8日紙面から再掲載」

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