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東南植物楽園のガイドマスターが沖縄の花木を巡る【沖縄の花木めぐり<3>】

沖縄の花木めぐり
ハス

「開花2日目が最も見ごろ」

 東南植物楽園(沖縄市)のガイドマスター、飯村俊宏さんが沖縄の花木についてガイドする本連載。今回は「ハス」。県内最大級のハス畑がある同園では、現在、ハス祭りを開催中だ。飯村さんは「沖縄ではハスの花を見れる場所は少い。開花は4日間で2日目が最も見ごろになります」と話している。

東南植物楽園内にあるハス畑に咲いたかわいらしいピンクのハス。開化2日目。花が楽しめる上、根の部分はレンコンとして、茎、種子なども食用になる
東南植物楽園内にあるハス畑に咲いたかわいらしいピンクのハス。開化2日目。花が楽しめる上、根の部分はレンコンとして、茎、種子なども食用になる

水道整備で栽培しやすく

 今でこそダムや水道が整備された沖縄ですが、整備される前は水不足が深刻で、さらには大きな川もなく、水田、河川、湿地が非常に少なかったと言われます。
 また、南北に細長い地形に雨が降ったとしても、短時間で海に流出してしまうために、水草などが生息する止水も少なく、ハスを栽培できる環境が整いにくかったかもしれませんね。
 ハスの根は蓮根(れんこん)になりますが、以前、年配のお客さまに「昔は蓮根なんて見たこともなかったから、沖縄の年配の人は蓮根をあまり食べないよ」と教えていただいたことがあります。水道が整備されるようになった今だからこそ、このきれいなハスの花を楽しめるというわけです。
 ハスの開花は4日間続きます。開花時間は早朝(日の出)からお昼にかけてです。1日目はチューリップのような半開きで開花、昼には閉じてしまいます。
 2日目は全開で香りも強く、2日目の開花が1番きれいだとも言われます。昼過ぎに完全に閉じてしまいます。3日目は全開しますが、昼過ぎに半分しか閉じることができません。続いて4日目は、全開した後、昼過ぎには花びらを完全に落とします。
 花びらが落ちた後には花托(かたく)という部分のみが残り、種が成長するにつれ、花托の部分が蜂の巣に似てきます。このことからハスの名前の由来も「ハチノス」→「ハチス」→「ハス」と呼ばれるようになったとのことです。

自ら発熱、花の体温保つ

 みなさんは、ハスは自ら発熱して開花していることをご存知ですか? 正確に言うと、温度調節をしていると考えられています。植物自体が発熱して開花することは非常にまれで、ハスはその代表選手と言えます。
 ハスは開花時に自ら発熱をして花の体温(つぼみの中)を35~36度まで上げます。暑い時には水分を蒸発させ、30~36度に花の体温を保ちます。恒温動物のような機能を持つ理由は諸説ありますが、雄しべと雌しべを新鮮に保てる温度で、さらに花粉を媒介する昆虫が活動しやすい温度だと言われています。
 最後にハスにまつわるエピソードを紹介しましょう。みなさんは「ハスが開花する時にポンッと音がする」という話を聞いたことがありませんか? 
 だいぶ前に研究者らの実施検証で音は出ないことが証明されていますが、話の始まりは昔、歌人が詠んだ歌にあるようです。早朝に歌人がハスの開花を眺めていたところ、開花と同時にカエルが池に飛び込んだ音を聞いて、ハスが花開した時の音と歌を詠んだことが由来のようです。
 日本人の侘び寂びを感じさせる話ですね。音がするかしないか、曖昧(あいまい)な方が楽しいのかもしれません。

ー ー ー ー ー

開花は4日間/朝早くに開き、昼過ぎに閉じる
ハス白花の開花

ハスは夏の朝に水面まで花茎を立てて開花する。写真は開花1日目。半開きの状態
ハスは夏の朝に水面まで花茎を立てて開花する。写真は開花1日目。半開きの状態
最もきれいなのが開花2日目。全開で香りも強く出る
最もきれいなのが開花2日目。全開で香りも強く出る
開花3日目。昼過ぎに半分閉じる。4日目は全開後、花びらを落とす
開花3日目。昼過ぎに半分閉じる。4日目は全開後、花びらを落とす
花びらが落ちた後できる花托(かたく)も特徴的
花びらが落ちた後できる花托(かたく)も特徴的

ハスの魅力いろいろ!

園内のハス畑。水面いっぱいに広がる葉が見た目にも涼やか
園内のハス畑。水面いっぱいに広がる葉が見た目にも涼やか
ハスのつぼみ。自ら発熱して温度を35~36度に保つ
ハスのつぼみ。自ら発熱して温度を35~36度に保つ
葉の表面は科学的特性で表面張力によって水をはじく
葉の表面は科学的特性で表面張力によって水をはじく

植物の写真はすべて東南植物楽園提供(沖縄市)


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東南植物楽園のガイドマスター:飯村俊宏氏
東南植物楽園のガイドマスター:飯村俊宏氏

▼執筆
 飯村俊宏(東南植物楽園ガイドマスター)

▼東南植物楽園HP
 http://www.southeast-botanical.jp/


<沖縄の花木めぐり>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1536号2015年6月12日紙面から再掲載」

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