沖縄の不動産・賃貸・売買ならコノイエ+プラス

お役立ちコラム

東南植物楽園のガイドマスターが沖縄の花木を巡る【沖縄の花木めぐり<4>】

沖縄の花木めぐり
食虫植物

形や巧妙な”わな”が魅力

 東南植物楽園(沖縄市)のガイドマスター、飯村俊宏さんが沖縄の花木についてガイドする本連載。今回は虫を食べる「食虫植物」。「食虫植物の魅力は、独特な形と巧妙なわな。その仕組みを知ると、食虫植物の面白さに気が付くはず!」と飯村さん。

夏になるとホームセンターなどでよく販売されている、閉じ込み式の「ハエトリソウ」
夏になるとホームセンターなどでよく販売されている、閉じ込み式の「ハエトリソウ」

 沖縄の山などには「モウセンゴケ」や「ミミカキソウ」、「タヌキモ」などの食虫植物を見つけることができます。本州の自生地は環境破壊で次々になくなり、ほとんどが絶滅したと言ってもよいくらい。身近に食虫植物を見ることができる沖縄は、食虫植物にとって楽園かもしれません。
 食虫植物は、全世界で12科19属が確認され、600種類以上あります。また、園芸品種及び人工交配種を含めると2千種類以上にも。私が植物の世界に興味を持ったきっかけも食虫植物で、栽培歴は30年を軽く超えます。

獲物捕らえる仕組み

 食虫植物の魅力は、その独特な形と巧妙なわなにあります。わなも大きく分けて「落とし穴式」、「粘着式」、「迷路式(細管へ誘導)」、「吸い込み式」、「閉じ込み式」の五つに分類できます。今回は、中でも人気が高い、閉じ込み式の食虫植物の話をしましょう。
 代表選手は「ハエトリソウ」です。2枚の貝殻のような葉っぱには、感覚毛という毛が1枚につき3本付いています。この感覚毛は1回触れただけでは、2枚の葉は閉じません。続けて2回触れることで獲物と認識し、瞬時に葉を閉じて獲物を捕らえます。
 獲物が中で動き続ければ葉っぱをより強く絞め続け、ゆっくりと1週間から10日かけて獲物を消化します。ただし、閉じた葉の中で獲物が動かなければ、また葉を開いて獲物を待ちます。これは、小石など獲物でないものを獲物として認識してしまった場合に、無駄な労力を使わないための仕組みです。
 1枚の葉っぱが開閉できる回数はたったの3回。なぜなら1回の開閉で、人に例えるならフルマラソンを走るくらいの労力を使っているからなのです。

開閉にかなりの体力消耗

 ホームセンターなどでハエトリソウの葉を閉じて遊んだことがありませんか? これは、ハエトリソウの命にかかわります。ハエトリソウは通常5~6枚の葉がロゼット状(放射状)に展開していますが、6枚×3回の開閉をすると、新しい葉を出す前に体力を消耗して枯れてしまうのです。
 私も小学生のころ、親にハエトリソウを買ってもらい、面白くて葉っぱにいたずらをしていました。するとあっという間に枯れてしまい、それから図書館で調べて枯れてしまった原因を突き止めました。その後は枯らすことなく、最長で7年株を更新したことがあります。
 ハエトリソウは北米原産で冬の厳しい寒さに当てる必要があるので、沖縄では1年草と考えたほうがよいでしょう。
 今回紹介できなかった、落とし穴式のウツボカズラやサラセニア、粘着式のモウセンゴケなどはベランダなどで元気に育てることができます。興味のある方は、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。

ー ー ー ー ー

閉じ込み式や吸い込み式、落とし穴式など
形・わなの種類いろいろ食虫植物

タヌキモの花。最も巧妙なわなを持つと言われるが、そのわなは1ミリ程
【吸い込み式】タヌキモの花。最も巧妙なわなを持つと言われるが、そのわなは1ミリ程
モモイロミミカキグサ。わなを土の中に沈ませ、小さな昆虫を捕らえる
【吸い込み式】モモイロミミカキグサ。わなを土の中に沈ませ、小さな昆虫を捕らえる
ウツボカズラ。仲間には世界最大の補虫袋をつけるものも
【落とし穴式】ウツボカズラ。仲間には世界最大の補虫袋をつけるものも
サラセニア・ミッチェリアナ。袋の中は逆毛が密集していて、落ちた虫ははい上がることができない
【落とし穴式】サラセニア・ミッチェリアナ。袋の中は逆毛が密集していて、落ちた虫ははい上がることができない
アフリカナガバモウセンゴケ。ネバネバした葉に捕らえられた昆虫は、もがくほど逃げるのが困難に
【粘着式】アフリカナガバモウセンゴケ。ネバネバした葉に捕らえられた昆虫は、もがくほど逃げるのが困難に

▼関連記事「沖縄の花木めぐり」
ブーゲンビレア
シダ
グアバ
リュウゼツラン
タコノキ
バナナ
ヤシ
食虫植物
ハス
ガジュマル
ハイビスカス


東南植物楽園のガイドマスター:飯村俊宏氏
東南植物楽園のガイドマスター:飯村俊宏氏

▼執筆
 飯村俊宏(東南植物楽園ガイドマスター)

東南植物楽園
 電話/098-939-2555
 http://www.southeast-botanical.jp/


<沖縄の花木めぐり>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1540号2015年7月10日紙面から再掲載」

月別アーカイブ

ライター