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お役立ちコラム

本村ひろみの「おきなわ 暮らし散歩」<14>

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『美しい星』

風の強い午後。目を閉じてバスを待つ。
ときおり目を細めて遠くのカーブを確認しながら。
2、3回まばたきをすると道の先に小さな青い点が現れて
ゆっくりと
そのうち次第に大きくなって目の前に止まった。
一段高くなっている後ろの席に座り
曇った窓ガラスを触ると指先がひんやり。
冬の感触。
少し走ると右手にブルーシールが煌(きら)めいている。

小学生の頃は
プラザハウスあたりにサンタクロースが住んでいると信じていた。
1970年代初めの頃の記憶。
両親はコザのイルミネーションを見せるため
国際通りで営む店舗を閉めた遅い時間から
深夜のドライブによく連れて行ってくれた。
母の手編みのポンチョとニット帽の弟たち。
カーラジオからはクリスマスソングが流れていた。

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いろんな気持ちが満ちてくる12月。

2002年クリスマスシーズン。
パリ・ブローニュの森近く16区の邸宅でホームステイをした。
語学学校に向かう早朝
バスの中では誰もが静かに目を閉じていた。
エッフェル塔を輝かせる朝焼けを眺めながら
古い街並みをクネクネと進む。
窓の外は凍える小雨。透明ビニールの水玉頭巾(カピュッシュ)
をかぶった年配の女性が背中を丸めて歩いている。
きっと朝市へ向かうのだろう。
石畳の向こうがひときわ明るい。
パッシー通りの朝市はまるで湯気が立っているように見えた。

鳥は鳴き、道行く人はあいさつを交わしている。
沈黙の闇から目覚めると
世界は光に満ち
繰り返される朝はかけがえのない奇跡だと気付く。

12月 舞い落ちる葉。
夏から秋へと豊かに茂り色づいていた世界も
いつの間にか
ひとつひとつ彩りを落とし静かにたたずんでいる。
でもそれは見える世界の話。
見えない世界は動き始めている。
枯れ木に見える桜の木は、夏の間につぼみを作り
そのつぼみは芽に包まれて冬を越し、春に花を咲かせる。
すでに草花はラッピングされ
春にはそのリボンが解かれる。
ドラマチックな仕掛けで未来が待っている。

2016年 美しい星の新しい幕開け。
どうぞ穏やかでうららかな初春をお迎えください。

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この記事のライター

本村 ひろみ

フリーパーソナリティー

本村 ひろみ

那覇市出身。清泉女子大学卒業。
ラジオやテレビのレポーターを経て、ラジオのパーソナリティ、式典や披露宴、イベントなどの司会として活躍中。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「プラチナ世代の活き方革命」でパーソナリティーを務める。沖縄県立芸術大学大学の修士課程を修了。英国サリー芸術大学に留学し、ファッション・デザイン課マスターコースで学んだ経験を生かし、デザインやイベントのプロデュースにも携わる。
http://cats007.ti-da.net/

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