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お役立ちコラム

人と建築と日常をつなげたワクワクするものづくり【ハイサイ! ハイザイ!】

ヒト モノ コトつなぐ(1)

ハイサイ! ハイザイ!

文・写真 岡戸大和

ヒト(人)とモノ(建築)とコト(日常)。少し視点を変えてつなげてみよう。本連載では(株)LAP取締役の岡戸大和さんに、身近なモノ、コトをつなげたワクワクするものづくり、暮らしに身近な空間づくりのアイデアを提案してもらう。

 6年前に横浜から沖縄に移住した。(株)ライト工務店取締役の渡久地克子さんの誘い。克子さんは35歳で施工管理者となって以来、手掛けた現場は100件を超える。当時では珍しい女性の施工管理者だった上、69歳の現在も現場管理者として活躍している。師匠であり、母のような存在でもある克子さんからは、建築だけでなく沖縄のこともたくさん教わってきた。
 そんな建築でつながる私たちは、時間ができると大宜味村にある克子さんの実家と旧大宜味村役場へ行く。どちらも克子さんの父、腕のいい大宜味大工の棟梁だった金城賢勇氏が施工をした建物である。
 実家の建物は築70年の木造<写真1>。減築されたが、今も現役だ。この住宅が建てられたころは、木材は豊富にはなかった。減築前の建物には、木端材をいくつか組み合わせて一つの材にした柱があったと言う。限られた資材しか使えない状況でも、よりよいモノをつくるために創意工夫したことが、この家の軸であり、ここに建築の醍醐味があると思う。

写真1=築70年余になる渡久地克子さん(左)の実家の柱を囲んで。特別な材料(素材)ではないが、ディテールがしっかりしている=大宜味村
写真1=築70年余になる渡久地克子さん(左)の実家の柱を囲んで。特別な材料(素材)ではないが、ディテールがしっかりしている=大宜味村

屑を星に変える

 創意工夫は、特別な技術から出てくるだけでなく、「こうしたら出来るんじゃないか」という純粋な気持ちから湧き上がるのではないだろうか。身近にあるモノへの「もったいない」「まだ使える」「そこにある」という視点が、廃材も「資材」へ変える。
 建築現場では毎日多くの廃材が発生する。沖縄では、ほとんどの建築資材が県外から運ばれるが、中には効率化等の理由から新品そのままで廃棄物になることも。時には良質で風合いのよい木材も転がっている。少し手を加えるだけで、まだまだ利用できる材は身近にたくさんある。
 数年前から廃材を積極的に活用し、施主と一緒にDIYで内装を施す「星屑工務店」を始めている。屑(=廃材)を星に変える活動だ。
 私の祖父は東京下町で金属リサイクル業を営んでいた。祖父の家にはいろいろなモノがあった。さまざまなカタチをした金属片、中にはSLのかま、巨大な凸レンズなど。これらは刺激的で、どう使われていくかワクワクした。星屑工務店の名は、そこから生まれた。
 「人材を以って資源と為す」
 旧大宜味村役場前の石碑である。この言葉に大きく励まされている。資源に乏しくとも、どんなに時代が変化しても、「人」の可能性を確信し挑戦し続ける、先人たちからのメッセージを大切に、建築の可能性を広げたい。


暮らしを楽しくするアイデア「お便り交流」

岡戸さんが普段よく聞かれる質問についてピックアップ!
Q.廃材の魅力って何ですか?
A.再利用する際、アレコレ考えられるのが楽しいですよ。古い木材など、組み合わせることでそれぞれの表情が生きてくることも。

Q.最近、廃材で何か作りましたか?
A.古建具と廃材で「作業机」を作りました。ビス1本まで捨てられていたものを利用(写真2)。空間でいうと、大川家具のリニューアル工事で、パレット廃材を加工し壁一面に張りました(写真3)

Q.今後、廃材をどのように活用していきますか?
A.県内のデザイナーやアーティストの方々と廃材をテーマにした展示会など考案中です。

写真2=解体現場に残った建具と廃材で作ったデザイナーのための作業机。建具の取っ手を外せば電気コードを通せる
写真2=解体現場に残った建具と廃材で作ったデザイナーのための作業机。建具の取っ手を外せば電気コードを通せる
写真3=廃材を張り付けた壁。異なる木目や色の重なりが、壁を表情豊かにする=TODAY O!K/リビング・デザイン・スクエア・泡瀬(沖縄市)
写真3=廃材を張り付けた壁。異なる木目や色の重なりが、壁を表情豊かにする=TODAY O!K/リビング・デザイン・スクエア・泡瀬(沖縄市)

建築活動家
岡戸大和(おかど・やまと)
 1980年生まれ、神奈川県出身。(株)LAP取締役兼(株)ライト工務店スタッフ、IDA専門学校非常勤講師。街づくりから設計・施工、大工、教育までマルチな活動を展開。廃材活用を実践する「星屑工務店」やアートスペース「コザクロ」運営。部屋をDIYできるアパート「DIYAP」提案等

http://lap-okinawa.com/


<ヒト モノ コト つなぐ>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1559号2015年11月20日紙面から再掲載」

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