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実践!防災のワザ「万能島野菜「フーチバー」」【沖縄から防災を考える】

実践!防災のワザ[5]
万能島野菜「フーチバー」

執筆:稲垣暁

 大規模災害時の食生活はおにぎりや菓子パンに偏りがちで、弁当が支給されても供給体制や腐敗の問題で野菜の摂取は難しい。そのため、鉄分、カルシウム、ビタミンB2やCが不足する。
 島野菜は、避難所で欠乏しがちな栄養素が一般野菜より豊富で、沖縄の大災害時に地域の畑などに豊富にあれば大きな恵みとなる。
 島野菜で、最強の「沖縄ローカルベジタブル」は何だろうか?
 私は「フーチバー」だと思う。読者の多くは、フーチバーが体に良いことを知っているだろう。あるいは親や祖父母から聞いたことがあるはずだ。
 だが、どう優れているかはあまり知られていない。カルシウム、カリウム、リン、鉄分、カロテン、ビタミンB1、B2、Eが豊富で、特に鉄分とビタミンB2は他の野菜類に比べずばぬけている。本土で食べられるヨモギに比べ、繊維が細くアクも少ない。沖縄そば店などで別の椀に盛られて出てくるが、とても食べやすい。
 残念ながら、都市部ではそこらへんに生えているものではなくなってしまった。ぜひ、家庭のプランターなどで琉球ハーブとして育ててほしい。すると、家庭の防災力がワンランク向上する。
 意外なのは「ハンダマ」だ。地域の防災ワークショップなどで「鉄分が多く含まれている野菜は?」と聞くと、多くの人からハンダマという声が返ってくる。紫色の葉から来るイメージだろうか。実は、鉄分は多いが、フーチバーやシマナーには劣る。
 むしろカルシウムで他の野菜を圧倒しているほか、ポリフェノールを多く含むことで強い抗酸化作用を持ち、血糖値を抑える作用が強いという。動脈硬化や心筋梗塞の予防につながるベータカロテンや、血圧上昇を抑えるγ(ガンマ)アミノ酪酸も多く含む。
 健康に関する指標が軒並み全国ワーストな沖縄県。災害に対応できる体を作るためにも、平時から摂取を心掛けたい。

鉄分やビタミンB2が豊富なフーチバー
鉄分やビタミンB2が豊富なフーチバー

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カルシウムやポリフェノールたっぷりのハンダマ
カルシウムやポリフェノールたっぷりのハンダマ

ビニール調理で災害食に彩り

 30万人が避難所生活を送った阪神淡路大震災では、住民が限られた資源をどう有効に使うか頭をひねった最初の大規模災害だった。食では、水と食器を使わず、いかにおいしくかつ栄養を多く摂るかに知恵が絞られた。そのひとつが「ビニール調理」だった。
 簡単なものは、ビニールに野菜とひとつかみの塩や酢、水を入れてもむだけの「浅漬け」。日々配給される食べづらいおにぎり(6/25号参照)に味わいと栄養がプラスされ、作る楽しさも加わる。非常時なので細かいレシピなどなく、日々工夫を重ねて自分なりの味に仕立てていった。
 昨年、ガールスカウト沖縄県連盟のワークショップで、チキンとハーブ、スープを入れて漬け置く方法を教えていただいた。小さい鍋で湯を沸かし、ビニールごと入れると香り高いチキンのハーブ煮込みに。これならタンパク質と元気が補充できる。

チキンとハーブ、スープをビニールに入れ温める。ビニール炊飯(米+水)と同時に
チキンとハーブ、スープをビニールに入れ温める。ビニール炊飯(米+水)と同時に

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[4]勇気と希望の源
[3]夏場の沖縄 避難食の困難
[2]避難所おにぎり・弁当秘話
[1]食べることは生きること


沖縄国際大学特別研究員の稲垣暁氏

いながき・さとる
1960年、神戸市生まれ。沖縄国際大学特別研究員。社会福祉士・防災士。地域共助を専門に東北や神戸との交流を続ける。


<実践!防災のワザ>
沖縄タイムスの副読紙/毎週木曜日発行・週刊ほーむぷらざ「第1467号2015年8月27日紙面から掲載」

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