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お役立ちコラム

本村ひろみの「おきなわ 暮らし散歩」<15>

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『美味しい記憶』

実家のリビング。
食事をしながら眺める壁には
たくさんの写真が無造作に貼られている。
それが新年を迎えるとさらに増える。
親戚から届いた年賀状も追加され
家族写真の展覧会のようになる。

「みんな大きくなっているねー。」
写真をのぞきこみながら
遠くに住む親戚の子どもたちの成長を喜ぶ両親の背中はなんだか小さい。

壁にはまるでパッチワークのように
新旧の晴れ着姿が散りばめられ
その一角に真新しい月めくりカレンダーが貼られている。
区切られた枠の上に日付、下の部分にはメモができるタイプ。
少しずつ予定が記され
実家の暦の中は「模合」や「ゲートボール」「句会」の文字が
太い黒ペンで書かれている。
毎月の行事をたどってカレンダーのページをめくると
あっという間に春になる。

壁に飾られた家族の歴史。
まだ何も記されていないカレンダーの余白には未来を描く。

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食卓の匂いや光でふとした瞬間、懐かしい情景が目の前に広がる。

母の実家は小学校の前で商店を営み、豆腐も売っていた。
1940年代の宮古島。
城辺小学校の北にある“ヌグスクカー”へ
小学生だった姉弟5人で学校帰りに海水をくみに行き
翌日の豆腐作りの準備をしたそうだ。
明け方、湯気の立つできたての豆腐。
それを朝早く近所の人たちが買いに来る。
朝の気配。
何もなかったはずの子ども時代なのに豊かだったと
実家の食卓で繰り返されたその言葉の響きも
みそ汁の味わいに混じっている。
記憶の中の言葉と味わい。
母はごちそうだった豆腐を食べ続けたせいか
それとも子どもにとって重労働だった
水くみのつらい思い出のせいか
今ではあまり豆腐を食べない。

美味(おい)しい記憶。
ツヤツヤのご飯
ふっくらとした卵焼き
具だくさんのみそ汁
昭和のドラマに出てきそうな
みんなで食べる朝ごはんが一番のごちそうだと信じている。

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一月
春を追う。
窓の外、緑の影が躍動する。
昨夜の風で灰色のアスファルトに散った
ピンク色のヒカンザクラ。
その花びらを追って山原(ヤンバル)路へ春を探しに行こう。
手作りの卵サンドイッチと好きな香りの紅茶を水筒に入れて。

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この記事のライター

本村 ひろみ

フリーパーソナリティー

本村 ひろみ

那覇市出身。清泉女子大学卒業。
ラジオやテレビのレポーターを経て、ラジオのパーソナリティ、式典や披露宴、イベントなどの司会として活躍中。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「プラチナ世代の活き方革命」でパーソナリティーを務める。沖縄県立芸術大学大学の修士課程を修了。英国サリー芸術大学に留学し、ファッション・デザイン課マスターコースで学んだ経験を生かし、デザインやイベントのプロデュースにも携わる。
http://cats007.ti-da.net/

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