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沖縄の建築家が考える住まい・デザインの発想【デザインのもと<9>】

デザインのもと
使い方で変わる木材の強さ

 建物を計画する際、重いモノを載せたり台風や地震に対し強さが大丈夫なのかを知りたいところです。実は、同じ木材でも使い方で強さは異なります。今回は、長方形断面の木材が向きによってどの程度強さが変わるのかを実験で確かめてみようと思います。

部材の向きで考えてみる

 一般的にモノには形というものがあります。今回は長方形。「どの向きで使うと良いのか?」「それとも変わるものなのか?」など悩みます。ということで、実験で確かめてみました。
 強さをたわむ量で確認します。たわむ量とは、人が乗った位置で、木材が曲がり下がって動いた長さのことを呼びます。ここでは「たわみ量が小さい=たわみにくい=強い」ということで話を進めます。
 感覚的には縦向き(上写真参照)が強そうですね。では、横向きに比べ縦向きがどれだけ強いのかを実験値で確認します。写真のような感じで、四つの実験を行いました。事前に電卓で構造計算を行い予測も出しました。ここで注意して見てほしいのが予測値と実験値の誤差。「たわみ比」の予測値と実験値が近似です。計測精度を更に上げると誤差はもっと小さくなります。この技術こそが構造計算です。感覚ではなく数値で建物の安全を確認するためには、この知識が必要なのです。

木材のたわみ|コノイエプラス

木材の強度比較|コノイエプラス
比較の結果

実験から次のことが分かります。
・ともに縦向きの方が倍以上強く、横向きは弱い
・AとBを縦向きで比較した場合、寸法が13ミリ(26%)
 大きいだけで、271%も強さが向上

このように構造的な考え方が強度や経済性、空間デザインへの影響を及ぼすことが想像できるのではないでしょうか。


執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)

執筆/末松信吾(sngDesign/建築家)
すえまつ・しんご/一級建築士。東京で構造家の今川憲英氏、池田昌弘氏のもとで修行した後、県内建築士事務所を経て、2001年、エス・エヌ・ジーデザイン設立

▼HP
sngDesign(エス・エヌ・ジーデザイン)
http://sng-design.com/

▼関連記事はこちらから
<11>構造技術を空間と一体に
<10>強さと経済性とデザイン
<9>使い方で変わる木材の強さ
<8>基礎を知る<後編>
<7>基礎を知る<前編>
<6>疑問を解決してみる
<5>素材の特徴生かす
<4>形に秘められた能力
<3>骨格を美しく
<2>構造とデザインの関係
<1>構造って何?


<デザインのもと>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1567号2016年1月15日紙面から再掲載」

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