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沖縄の冬・雪が降った日【沖縄に住む美容師が考える+Lives】

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美容師が考える+Lives【vol.2】
沖縄の冬
文・写真/長田大輔
Fzerafオーナー・美容師

沖縄で美容師をしてる僕が、これまでに出会った人々との話を織り交ぜながら日々の暮らしを綴ってみる。


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鉛色の雲と突き刺すような冷気を伴って冬将軍が北の大陸から海を越え押し寄せ、南の島を寒気で覆い尽くした1月の冬。

漂う空気は寂しさを含み、人々の体から夏の記憶を消し去る。
北から吹きつける風は微かに残る温もりを奪い去り、冷たい雨は心に暗い影を落とす。

太陽が主役であった季節の海はどこまでも碧(あお)く透き通り輝いてたはずなのに、冬将軍に主役の座を譲った冬の海は荒々しいが静けさに満ち、その深い闇(やみ)によって全てを奪い去るような危険をはらむ孤独な存在へと変貌(へんぼう)していた。

時折、分厚い雲のすきまから陽の光が差し込み、辛うじて希望を照らしてくれる。
 上空かなたに存在してる太陽を懐かしむ事が極寒の冬をやり過ごす術であり、唯一の慰めのように思えた。

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冬将軍が訪れる数日前、Fzerafでは「沖縄に雪が降る」という話で持ち切りで、僕は「そんなはずないでしょう」と冷静沈着な態度でその話を受け流していた。

なぜなら、僕は寒いのが大の苦手だから。
雪など降りようものなら凍え死ぬのではないか、と危惧(きぐ)してしまう小心者なのだ。

否定的な立場と取る事で寒さに対し対応しようと試みてるところは、多分にあるかもしれない。

ふと脳裏に愛娘の笑顔とセリフが過ぎった。

「父上、雪だるま作ってみたいねぇ」

三歳になる愛娘が発した言葉を思い出した。

僕は「雪だるまが作れるほど雪は降らないよ」とは言えなかった。
幼心の愛娘に、そんなみにくいセリフなんて吐けるはずもない。
希望を抱き「雪」を待ちわびている愛娘を思い出した僕は、反省した。少しだけど。
「沖縄に雪が降る」という事を楽しみにしてる子供や大人がいるのに、否定ばかりしてる僕といったらなんて器の小さい人間なんだ、と。

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反省した僕は仕事の合間を縫ってテラスに出て空を眺めていた、極寒に耐えながら二、三度。お昼過ぎ、霧雨にちかい雨の中に微かに光を乱反射させる雨粒が落ちてるのが見えた。

しばらくの間、期待を抱き腕を伸ばした。
手のひらに雨とは違う物質がわずかに乗っていた。
小さな氷の塊だった。
まさか本当に沖縄に雪が降ったのか、と半信半疑で眺めていたら、その小さな氷の塊はすぐに僕の体温で溶けて雫(しずく)となり消えていった。

はかない夢のように消えていった小さな氷の塊が残像として目に焼き付いていた。つかの間、寒さを忘れ、ぼーっとテラスでたたずんでいたら、コートの袖に小さな氷の塊が止まってるのが見えた。一つ、二つ、雨の水滴に混じって存在する小さなものが「みぞれ」だった。

数回繰り返して手のひらに乗る「みぞれ」を確認してしばらく信じることができた。信じたら、なんだか楽しい気持ちになり浮かれてる自分に気づいた。

それから恥ずかしくなった。

まだまだ修行が足りないな、と痛感した冬のある1日のお話です。


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▼沖縄に住む美容師が考える+Lives
・美容師が考える+Lives(vol.3)ひと+つなげる=コンセプト
・美容師が考える+Lives(vol.2)沖縄の冬
・美容師が考える+Lives(vol.1)沖縄に魅了される理由

<コノイエ+プラス・コラム2016年2月10日公開 全3回>

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