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炊き出しは「具」にこだわれ【沖縄から防災を考える】

実践!防災のワザ[8]
炊き出しは「具」にこだわれ

執筆:稲垣暁

災害時の炊き出しは、具にこだわる必要がある。産地にこだわった高級食材で被災者を勇気づけよう、というのではない。ジャガイモやニンジンの「大きさ」「熱さ(温度)」にこだわりが必要なのだ。

真夏の繁多川公民館で住民避難と炊き出しを実践した際、実際の状況に合わせ停電・断水想定で行った。メニューは夏場の被災地での衛生状況を想定し、豚汁とした。大量の食数の必要から大きなシンメー鍋で煮込むため、住民たちは「荷崩れせず、おいしく食べてもらえるよう」家庭感覚で具を切った。

「避難者」に提供したところ、高齢者はほとんど具を残した。高齢者にとって、熱くて大きな具は食べにくい。炊き出しでは、食べる人や場所の環境、時期を考える必要があるのだ。検証会で住民は、「やってみて初めてわかった」「火が通ったもので、暑い時期に提供できる災害食は何がよいのか」などと話し合ったが、なかなかよい答えが見つからなかった。

炊き出しとなると食数が多い上、避難所など混乱しやすい所での調理のため、指示が届きにくい。2回目の実践では、当初は具を小さく切っていたが、担当者が変わると大きくなった。また、豚汁のように熱い汁ものは高齢者や子どもが持ち運ぶことが難しく、トイレが使いづらい状況では敬遠される傾向もある。

そこで、同じジャガイモを使った料理として、肉じゃがはどうだろうか。「おふくろの味」と言われるが、明治時代の日本海軍が考案したものだ。ビタミンが多いため脚気(かっけ)を防ぐこと、効果的にタンパク質(肉)を取れることで「発明」された。パンとも、米飯とも合う。

バリエーションが多いことも強みだ。手持ちの野菜を自由に加えられる。そのままの具でカレーライスに転用できる。これも明治の海軍が考案したもので、揺れる船内でもこぼれないよう小麦粉でとろみをつけたとされる。災害時に応用できる知恵のひとつだ。

炊き出しでは具の大きさなど、高齢者や子供も食べることへの意識が必要
炊き出しでは具の大きさなど、高齢者や子供も食べることへの意識が必要

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簡単! 空き缶炊飯

若い人には、炊飯器がなければごはんは炊けないと思っている人は多い。片手鍋でもホットプレートでも、空き缶でもごはんは炊ける。

方法はどれも同じ。米の量の1・2倍の水を入れて火にかけるだけ。350mlの空き缶なら、米は1合。水の量は米の高さの倍ぐらいだ。アルミホイルでぴったりフタをする。飲み口の部分は缶切りで切っておくと、炊けた後が楽だ。ホットプレートなら、水は米の高さの倍だ。フタが透明だと、炊け具合がよく分かる。

ただし、停電時などにカセットコンロを複数台、同時に使う際は、かなり注意しなければならない。近過ぎたり、2台同時に鉄板を乗せたりすると、熱で爆発することがある。

アルミ缶を使った炊飯。少し焦げたくらいがおいしい
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沖縄国際大学特別研究員の稲垣暁氏

いながき・さとる
1960年、神戸市生まれ。沖縄国際大学特別研究員。社会福祉士・防災士。地域共助を専門に東北や神戸との交流を続ける。


<実践!防災のワザ>
沖縄タイムスの副読紙/毎週木曜日発行・週刊ほーむぷらざ「第1480号2015年11月26日紙面から掲載」

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