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最もおいしかった「水道水」【沖縄から防災を考える】

実践!防災のワザ[10]
最もおいしかった「水道水」

執筆:稲垣暁

震災からしばらくの間、電気も水道もガスもない中で「一番おいしかった食べ物は何か?」と聞かれたら、ある支援物資で送られてきた食材だったと答えたい。野菜はすぐに調理できるよう洗って切られ、小分けまでされていた。水がない、包丁がない、人手がない、そんな状況を一生懸命に想像してくださったのだろう。料理は送ってくれた人の涙、そして、この食材を使って炊き出しをしたスタッフの涙の味がした。

同様に「一番おいしかった飲み物」は、間違いなく「普通の水道水」だ。しかも「横浜」「広島」「福岡」など全国各地のナンバープレートを付けた自治体の給水車からいただいた水だ。遠いところから駆け付けて、飲料水から生活水まで困り果てている私たちのために懸命の給水活動が行われた。その水のありがたさとおいしさと言ったら…。あの時、給水車の職員は、ちゃんと食事をとっていたのだろうか。

水だけでなく、電気やガス、そして鉄道の復旧作業の現場でも全国のナンバープレートを見た。昼夜を問わず、真っ暗な中で雪が降る寒い夜も、作業が続けられた。被災者が一日も早く生活を取り戻せるようにという思いが伝わってきた。作業しているところを通りかかった時、それぞれの道のプロの気概を見た気がして、心の中で感謝の言葉を叫んだものだ。

全国から駆け付け、不眠不休で復旧や警備、救助や消火に関わってくださった方々は、食べるものを持っていなくても、避難所の炊き出しに手をつけることができなかった。私たちは、このことに気付く余裕がなかった。地元の役所や学校関係者も含め、被災者を支える仕事をする人が食べなければ、復旧はままならない。彼らの食はなんとしても確保すべきだ。来るべき災害に備え、住民向けの炊き出しだけではなく、復旧従事者のための食糧供給も考える必要がある。

ライフラインが断絶した被災地では、全国各地のナンバープレートを付けた救援車両が、不眠不休で復旧活動を行う。生きるための「水」や「食」はこうして確保される。
ライフラインが断絶した被災地では、全国各地のナンバープレートを付けた救援車両が、不眠不休で復旧活動を行う。生きるための「水」や「食」はこうして確保される。

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台風対策で使った新聞の活用法

台風襲来時、多くの家では風雨の浸入を防ぐためサッシの溝に丸めた新聞紙を詰めたり、窓ガラスが割れても飛び散らないよう新聞紙を粘着テープで張ったりしている。台風通過後、大量の湿った新聞紙をゴミとして捨てるのはかさばるうえ、もったいない気もする。活用方法がないか考えた結果、「薪」にすることを思い付いた。ぬれた新聞紙にさらに水を加え、かたく絞って使用済み粘着テープでぐるぐる巻きにして保存する。紙粘土で薪を作る感じだ。火持ちがよく、平時から野外炊飯などに使う。枯れ木などに火がつきにくい時、粘着テープ自体が着火剤にもなる。

昨年3月に中城で行った「ぼうさいカフェ」で展示した、「台風新聞薪」(右手前)
昨年3月に中城で行った「ぼうさいカフェ」で展示した、「台風新聞薪」(右手前)

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沖縄国際大学特別研究員の稲垣暁氏

いながき・さとる
1960年、神戸市生まれ。沖縄国際大学特別研究員。社会福祉士・防災士。地域共助を専門に東北や神戸との交流を続ける。


<実践!防災のワザ>
沖縄タイムスの副読紙/毎週木曜日発行・週刊ほーむぷらざ「第1493号2016年2月25日紙面から掲載」

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