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「住育の家」に学ぶ 水回り 子育て・介護しやすい「楽スルー」|住育deハッピーライフ

可視化し見守りやすく

「住育の家」に学ぶ 水回り 子育て・介護しやすい「楽スルー」

浴室の両側に出入り口があり、手前の洗面・トイレと奥のキッチンを結ぶ通路にもなる「楽スルー」。ユニークな発想だと話題になり、国際会議で発表されたり、国内の雑誌やテレビでも取り上げられた
浴室の両側に出入り口があり、手前の洗面・トイレと奥のキッチンを結ぶ通路にもなる「楽スルー」。ユニークな発想だと話題になり、国際会議で発表されたり、国内の雑誌やテレビでも取り上げられた

人はライフサイクルによって暮らしが変化するため、その都度、住環境も変える必要があると思われている方は少なくありません。特に水回りは、間取りによって暮らしやすさ、子育てや介護で感じる負担が変わるので重要です。今回は、子育てから介護まで、どんなライフサイクルにも対応もできる間取りを紹介します。16年前に生まれた住育の家の水回り「楽スルー」(2007年に登録商標)です。

浴室の両側に扉を設けた楽スルーは2方向から出入りができ、入浴時以外は、浴室がその両隣の部屋をつなぐ通路になるという2ウェイ仕様になっています(写真)。母が、住宅プランナーとして何百件もの住宅を造ってきた経験と、自宅での家事や子育て、介護を通して、さまざまな実験・検証・研究をし続けて誕生した、アイデアの総結集です。

時間の余裕が生まれる

子どもや介護が必要な人の入浴を考えると、排便の点でトイレと近いことが重要です。トイレを済ませた後でも温まって腸の動きが良くなり、入浴中に排便したくなる場合があるからです。

以前、楽スルーと一般的な間取りをスタジオに再現し、「家事のしやすさ(家事動線の効率化)」と「育児・介護のしやすさ(見守りのしやすさ)」を考慮して、母親と子どもの動き方を比較しました(イラスト参照)。

キッチンから浴室、トイレまで目が届く楽スルーでは、食事の準備・片付けから、宿題のチェック、入浴などが同時進行でできます。「家事も子育ても介護も、楽にできる」「隙間時間に家事ができて、時間に余裕ができました」。これは住育の家に住む人の共通したコメントです。楽スルーの間取りでは、お母さんや介護をする側に時間のゆとりが生まれるためガミガミ怒らず、優しい気持ちになれるのです。

住まいづくりでは、建物というハードの前に心のあり方が大切。それをカタチにするしつらえが住育です。育児や介護のしやすさ=見守りやすさ。家族がだんらんし、家事をしながらでも子どもが勉強している姿が見える。お風呂の様子が分かるなど、住まいの可視化がポイントです。見守り時間を意識することが、どんなライフサイクルやライフスタイルの変化にも対応できる住まいづくりのカギと言えるでしょう。

お母さんと子ども(小学校入学前と低学年)の動き方の比較

一般的な間取りでは、大きく曲線を描いたような動きになった。一方、楽スルーの間取りでは動線が短く集中。むだなくスムーズに動けることが分かった
一般的な間取りでは、大きく曲線を描いたような動きになった。一方、楽スルーの間取りでは動線が短く集中。むだなくスムーズに動けることが分かった


住育アドバイザー・宇津﨑友見さん

執筆者
宇津﨑友見(うつざき・ともみ)
(一社)日本住育協会理事長。建築士、住育アドバイザー。京都を拠点に、母と妹、全国各地にいる住育アドバイザーとともに、家族が仲良く、幸せになれる「住育の家」づくりを展開している。

(株)ミセスリビング ホームページ http://mrs-living.co.jp/
一般社団法人 日本住育協会 ホームページ http://jyuiku.net/
ブログ http://www.jyuiku.net/blog/

▼住育アドバイザー・宇津﨑友見の住育deハッピーライフ
<18>可視化し見守りやすく
<17>料理、片付けがしやすいキッチン
<16>キッチンで分かる夫婦の仲良し度
<15>キッチンで分かる夫婦の仲良し度
<14>家族が集う「リビングダイニング」
<13>誰もが使いやすい温かな「玄関」
<12>家族の位に合わせて
<11>したい暮らしが軸
<10>自分で入浴、排せつ
<09>自分で考え、決める
<08>子どもは王様?
<07>死角ゼロは自立に
<06>写真で住育力アップ
<05>リビングに居場所
<04>LDKに見る力関係
<03>玄関は社会との扉
<02>夢マップで視覚化
<01>どう暮らしたい?


住育アドバイザー・宇津﨑友見の住育deハッピーライフ<18>
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1608号2016年10月28日紙面から掲載」

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