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お役立ちコラム

人と建築と日常をつなげたワクワクするものづくり【クズスグスクール】

ヒト モノ コトつなぐ(7)最終回

クズスグスクール

文・写真 岡戸大和

沖縄の建築、まちづくりにまつわるヒトやコトを建築活動家の岡戸大和さんがつづる本連載。最終回となる今回は、若手の育成がなかなか進まぬ現状や、岡戸さんが始めた挑戦の場づくりプロジェクト「クズスグスクール」について説明しています。

4人の新入社員

沖縄は梅雨が明け、日差しがまぶしい。その日差しよりも輝くのはわが社に入った4人の新入社員だ。専門学校を卒業したばかりの元気あふれる若者たち。みんな同級生でお互いの性格も気心もよく知っているし、私にとっては教え子でもあるので、職場は毎日ワイワイと楽しい。
こちらが指示しなくとも、毎週若いメンバーだけで会議をしたり、毎週金曜日は週替わりで社員一人が昼食をつくる「給食日」を設けたり。仕事を教え合うだけでなく、何でもやる、挑戦する社風が自然とできたことは驚いている。
そんな彼らは昨年の秋より、『クズスグスクール』というアルバイトに来ていた。

ベースに「バイト経験」

今から16年前。大学生だった私は授業よりも課外活動に励んでいた。それは建築のアルバイトで、さまざまな手伝いをさせてもらった。
建築模型や作図から、展示会の企画や運営、プロダクトから街づくり、書籍の出版などリアルな仕事に携わった。建築業界のスーパースターの下で働いたり、海外にも行かせてもらった。
あのころ、授業とともに仕事で学んだことは、今のベースにあり、私にとっての財産であり、建築への思いはずっと変わらない。

学生たちの挑戦の場を

専門学校の非常勤講師になり、建築やデザインのアルバイトをしている学生がほとんどいないことを知った。ならば、先輩たちへの「恩返し」ならぬ、「挑戦」として、学生が仕事に関われる機会つくることにした。
得意な廃材を活用し、すぐカタチにするプロジェクトという意味で、『クズスグスクール』と名付け、放課後のクラブ活動のように有志を募りアルバイトとして仕事をさせてきた。店舗、事務所の内装や展示会の設営などに学生と挑んだ。

みんな職人、ぜんぶ資材

正直に言えば、スクールはとても大変だ。生産性を考えたら割に合うものではない。しかし、学生たちの目が輝く瞬間に立ち会えたときのうれしさはたまらない。「やっぱり、私も建築やりたい!」なんて言われたら、バンザイだ。なるほど、先輩たちはこれを楽しんで、私を引っ張ってくださったのかもしれない。
今、新入社員たちはスクールをサポートし、後輩たちに機会をつくってくれている。同業者の皆で次世代にチャンスをつくり、業界全体で建築を盛り上げられないだろうか!
今回で連載は最後。これからも建築の素晴らしさを、多くの方と共有できる活動を続けていきたい。そして、いつか「みんな職人、ぜんぶ資材」になるような仕組みをつくりたい。

スクールで今年、事務所の内装工事をした。古床材を用い、高さ3メートル30センチ、幅4メートル50センチのアクセント壁に挑んだ
スクールで今年、事務所の内装工事をした。古床材を用い、高さ3メートル30センチ、幅4メートル50センチのアクセント壁に挑んだ
完成した壁。色味を考慮して床材をレイアウト。完成の達成感を全員で共有した
完成した壁。色味を考慮して床材をレイアウト。完成の達成感を全員で共有した

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ookadoyamato

岡戸大和(おかど・やまと)
建築活動家。1980年、横浜市生まれ。うちなー婿。株式会社kapok代表取締役、IDA専門学校非常勤講師。街づくりから設計、施工、大工、教育までマルチな活動を展開。廃材活用やワークショップ型の内装を実践する「星屑工務店」で注目されている。

★ここで紹介した廃材活用事例以外にも、ブログで紹介中。
星屑工務店ブログ
http://hoshikuzukomuten.ti-da.net/


<ヒト モノ コト つなぐ>
沖縄タイムスの副読紙/毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞「第1643号2017年6月30日紙面から掲載」

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